第2話 単細胞1

永美「半日なのにめっちゃ疲れた〜〜…ε-(´∀`; )」

涼「そうだなぁ〜。5人ぐらいから同時に質問されてよ〜。

セイトクタコになった気分だったぜ。」

永美「聖徳太子だろーが! なんだよタコって!(c" ತ,_ತ)」

そう言いながら2人してロビーのソファーに身を沈める。


蒼斗「本当にお前ら、なんだかんだ言ってスゲェー仲良いよな(ーー;)」

呆れながらロビーに入って来た蒼斗に次々と罵声が飛ぶ。

涼「はぁ?」

永美「あぁん?何言ってんの蒼斗。あんたバカァ?」

涼「お前頭腐ってんじゃねぇーか?その目も節穴だろ。」

蒼斗「いや、涼よりは腐ってないと思うよ(´・∀・`)」

いつもの照れ隠しなので蒼斗は正しく訂正はしたものの、

軽くスルーするが、その声の大きさに不機嫌になるのは

永美達の年子の弟、神水潤だった。

潤「バカ涼うるさい。黙ってくれない?単細胞。」

涼「なんだとこのクソゲーマー!Σ(-᷅_-᷄๑)」

潤は元々無気力な性格なので、何事にも熱血!な涼とは

水と油のような敬遠の中だ。


永美「潤〜〜!お前今日もホントかわいすぎ!(≧∇≦)あ、グミいるか?」

潤「姉ちゃん、お菓子で釣ってるの?

もう僕高1だよ?まぁ、食べるけどさ。」

そんな潤を1番可愛がっているのは永美だ。

本人いわく、ついついグミをあげてしまうのは

釣ってるわけではないらしい。

?「そういう風に食べるから、

いつまでたってもグミごときで吊られるんだぞ潤。」

永美「だから。釣ってるじゃないってば!(ㆀ˘・з・˘)」

潤「いくら翔兄でもグミを侮辱したら許さないよ?」

翔兄こと神水翔は永美達の兄で高校3年生だ。

普段は優しくて面倒見のいい翔だが、何かスイッチが入ると

別人のようになる………らしい。


翔「はいはい、分かったよ…(´Д`)それで話は変わるんだが

明日、課題テストがあるのは知ってるだろ?

そのテストで1つでも赤点を取れば、

朝練の時間を倍にするらしい。だk……。」

永美+涼『はぁぁぁあ!?』

翔「………うるさい。少し黙れ」

耳をおさえた翔が、絶叫とも言える奇声をあげた永美と涼を睨みつける。

翔「だからしっかり勉強しておけと言っているんだ。

わざわざ忠告してやった事に感謝しろ。双子単細胞(・´ー・`)」

永美+涼『誰が双子単細胞だ!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾』

そのキレイなハモリに蒼斗と潤は吹き出し、翔は呆れる。

永美「テんメェ、さっきからハモってんじゃねぇ〜よ!

私にハモって良いのは潤だけなの!( *`ω´)」

涼「はぁ!?そんなもん知るかってんだ!」

2人が俗に言う兄弟喧嘩をしていると、

翔「おい、聞けお前ら。」

永美+涼『は、はいっ!』

頭に鈍い痛みが走った直後、

いつもより一段と低い声が2人に突き刺さる。


永美「ヤベェよ。翔のやつ、ガチギレ寸前だぞ。

どうする?」ボソッ

涼「どうするも何もねぇ〜よ。

そんなもん逃げるしかねぇーだろ。」ボソッ

その緊急事態に2人の小声の作戦会議が始まる。

もちろん、2人の頭を鷲掴みしている翔には丸聞こえなのだが………。

永美と涼はその事にまるで気付かない。

流石は双子単細胞といったところか。

そのマヌケさに、また込み上げてくる笑いを必死に

蒼斗と潤の2人の諦観組が我慢する。

翔「お前ら、そんなにはしゃいでるんだったら

テストは余裕なんだよなぁ?

俺が今からテスト範囲を矢刺死ー苦(ヤサシーク)教えてやろうかと

思ってたけど、必要ないかぁ〜。」

永美と涼が苦い顔をする。

翔「その代わり、万が一赤点なんてもの取ってきたら、

タダじゃおかねぇからな?(╹◡╹)

それか寿命を少しでも長くしたいんなら、

大人しくこの問題をテストとして今から解け。」

永美+涼『ゲェッ…!』

双子単細胞が精神的に潰れた音がロビーに響く。


永美「おい!逃げ道がなくなったじゃねぇーか。どうすんだよ!」ボソッ

永美が涼に助けを求める。

涼も慌てているかと思ったが、意外と落ち着いていた。

涼「大丈夫だ。オレが道を切り開いてやる。

だからお前は口裏を合わせろ。」ボソッ

このオス単細胞が口裏という言葉を知っているという事に驚きながらも、

そのワザとらしいカッコつけたセリフを言った者が涼が

絶体絶命の状態に身を置かれている永美にはカッコ良く見えた。

いや、不覚にもそう見えてしまった。

永美「あ、ダメだ。私の目が腐ってる。」

涼「なんでそうなるんだよ!」

2人が自分の声が知らず知らずのうちに大きくなっている事にも気付かず

また言い合いを始める。

翔「おい。さっきからボソボソ何を言っているんだ。丸聞こえだぞ。」

永美+涼『Σ('◉⌓◉’)』

その事実を初めて知って、ハトが豆鉄砲食らったような表情で

顔を見合わせる2人を見て、とうとう耐え切れなかった蒼斗と潤が

腹を抱えて笑い出した。








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