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「…本当にすいませんでしたぁ!」
陸上部のグラウンドに行くと、1人の男子が部員全員を前にして土下座していた。
よくみると、ピラミッドの一番上にいた人だ。
「あんたのせいでねえ、うちら学校中の笑いものだよ?!」
「すいませんでしたぁ!」
「部活動紹介の出し物は直前までみんなに言わないでさぁ」
「すいませんでしたぁ!」
「冊子みたら『革命』の二文字だけでさぁ」
「すいませんでしたぁ!」
「ソイヤッサッ!て、はぁ?」
「すいませんでしたぁ!」
「すいませんじゃぁ済まないんだよぉ!!」
「すいませ…あぁっ!」
「や、山本副部長!!足で踏みつけたらダメです!スパイクです!」
「福田部長も、こうやって反省してる訳ですし、悪気があってやったんじゃないんですよ」
「もうダメ、私恥ずかしくて校内歩けない。クラスに居場所ない。うぅっ」
「すいませんでしたぁ!」
「さっきからそれだけじゃないかよぉ!今年の新入生誰も入んないわよ!もういい、あたし帰る!」
何やら、さっきの出し物で部内で不和が起こっているようだ。発案者があの部長で、副部長がすごく機嫌を悪くしているようだ。今日のところは引き返した方がよさそうだ。
グラウンドを後にしようとすると、1人の女子が陸上部のところへ駆け寄る。
「あのぉ、陸上部はここで合ってますか?
さっきの発表、素敵でした!!私、入部したいです!」
『え!?』
体育館で僕のとなりに座っていた女の子だった。
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