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「君、大丈夫かね!?」
「先輩!死んじゃいやだー!!」
僕は今、競技場の真ん中で寝っ転がっている。足をやってしまったみたいだ。周りを人が囲み、唯一の後輩は涙を浮かべている。死んでしまう訳ではない。
担架で運ばれる。あぁ、もう大会には出られないんだろうというのは、わかる。
「マジかよ…」
葉山は、目の前の組で起こった出来事に唖然としていた。予選で自分を負かして、決勝で会おうと約束した相手が担架で運ばれていく。その光景を目にして、とてもやるせない気持ちになった。
「き、切り替えないとな。」
葉山は、青山の件で嫌に冷静になり、準決勝は11″57をマークし、難なく決勝に進めた。
「あいつ、大丈夫かな。」
これで自分の今日のレースは終わった。
あとで、会場の救護室に見舞いに行ってみよう。
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