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目を丸くしていた葉山がこちらに気が付いた。


「お、おい。今の見たか?」

「う、うん。」

動物にはそんなに詳しくはないけれど、今のは恐らくカモシカ。

競技場の裏が山だから、鹿やイノシシ出るとは聞いていたけど、まさかそんなのもいるなんて。


「多分カモシカ?だよね。イノシシかと思ったけど、ちょっと違うし。」

鹿やイノシシだったら襲いかかって来ていたかもしれない。

危なかった。


「カモシカ、、、かぁ。

、、、めちゃくちゃ足速かったな。俺らとは比べものにならないんだろうな。。。


なんか、すっげえ珍しいもの見れた気がする!

ラッキー!なんかいい事あるかも!」

葉山の目がぎらぎらとしている。

「よっしゃあ!気合い入った!青山ぁ!決勝じゃぜってぇ負けねえからな!!!」


葉山、こいつは根っからのポジティブらしい。

襲われるとかいう考えはなかったようだ。

鼻息を荒くした葉山はそのまま競技場の方へ戻って行った。


僕も、また獣が姿を現したら怖いので、その場を立ち去ることにした。

鶴田のサポートでもしてあげよう。

100mの準決勝は400mの後だし。

僕は何事もなかったことにして、鶴田の元へと向かった。


🏃🏃‍♀️🐦

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