p3

完全にやられた。

まさか俺が予選で1位を取れないなんて。

いつも通りにスタートを切れた。


最初の3歩、俺が加速していくのを感じる。


30mを過ぎたあたりで顔をあげた。

おれの視界にはあの華奢な体型と同じように軽く、のびのびと走る青山の姿が飛び込んできた。


予想外の展開にリラックスしていたはずの俺の身体は完全に固くなった。


まさか。追いつかなければ。



10秒の対決。焦りを見せた者が勝てる訳がない。そのまま差を詰めることができないどころか、広げられた。

なんとか2位で駆け抜けた。


『11"94』


予定では11"60ぐらいで1位のはずだったのに。

そのタイムを出したのは青山。あいつだった。

完全に油断した。

驚きと悔しさを抑え、青山に話しかけた。

「青山ー!めっちゃ速いじゃん!俺もスタート出遅れなかったらいい勝負だったのに!決勝まで残れよー!」


🏃🏃‍♀️🐦



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る