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完全にやられた。

まさか俺が予選で1位を取れないなんて。

いつも通りにスタートを切れた。


最初の3歩、俺が加速していくのを感じる。


30mを過ぎたあたりで顔をあげた。

おれの視界にはあの華奢な体型と同じように軽く、のびのびと走る青山の姿が飛び込んできた。


予想外の展開にリラックスしていたはずの俺の身体は完全に固くなった。


まさか。追いつかなければ。



10秒の対決。焦りを見せた者が勝てる訳がない。そのまま差を詰めることができないどころか、広げられた。

なんとか2位で駆け抜けた。


『11"94』


予定では11"60ぐらいで1位のはずだったのに。

そのタイムを出したのは青山。あいつだった。

完全に油断した。

驚きと悔しさを抑え、青山に話しかけた。

「青山ー!めっちゃ速いじゃん!俺もスタート出遅れなかったらいい勝負だったのに!決勝まで残れよー!」


🏃🏃‍♀️🐦



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