飛行機の行方

@blanetnoir

ある旅客機



機内の会話



「貴方の人生を飛行機に例えるとしたら、あなた自身は次のうちどれ?」


①パイロット

②機体

③乗客



問うた人は、答えを待たずに口を開く。



「どれも正解かもしれないし、そうではないのかもしれない、答えは分からない」




「もしかしたら、乗客という答えは成立しないのかもしれない。」




「しかし、不思議だね」




「もし私の人生が飛行機の機体やパイロットなのだとしたら、ここから飛び降りる乗客は、私の一体何だろうね?」




飛行機は高度高く、雲の上を飛んでいる。



強い日差し、眩い空。



開け放たれた非常口の扉に凭れて機内に一瞥をくれたその人の表情は、強い逆光で見えなかった。





瞬間、




空に舞わせた1人の身体は

強い光にのまれて、見えなくなった



自由を得て



消えていった飛行機の構成員



心の一部を失って



それでも機体は飛んでいく

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