【 手風琴 】

雲が流れて

空が澄み渡る

さわさわと街路樹が揺れて

葉っぱが一枚 宙を舞う

風の歌で季節が変わった


そんな時

優しい音に包まれてたい

晩夏のメランコリー


ぽろろん


音を奏でる

琴線を 掻き鳴らし

掻き鳴らして……

心の絃が揺れる度

美しい音が弾きだされる


ぽろろん


白いサンダル

街の風景が変わる

蛇腹の中に風を閉じ込めて

その鍵盤を指で触れると

柔らかな音を奏でる


手風琴

私は風に恋して楽器になった

過ぎ去る夏に さよならを




   ※ 手風琴(アコーディオン)

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