【 Empty Sky 】

鉛色の空に佇む

影法師がひとつ

アスファルトに落ちる

希薄な空気を呼吸をして

吐く血痰


地べたを這う風に

ゆらゆらと揺らめいて

逃げ込める隙間を探している


瑕疵な魂は

誰にも祝福されない

愛情の意味も知らずに

ちっぽけな存在を隠すように

隅っこで生きてきた

息を殺して……


灰色の孤独が

骨に滲み込んで

神経組織を浸食していく

すべての視界を遮る


わたしには

何処にも居場所なんかない


心に出来た

大きな洞には

時おり風が抜けて

ヒューヒューと

悲しい声で共鳴するから


この空の広さも

降りそそぐ陽の光も

小鳥の囀りさえ

実感できないままで

老いていく…… 


わたしの瞳には


Empty Sky


うつろな空しか

映らない




もう死んでもいいですか?

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