好きだよと言えずに初恋は

村下孝蔵さん作曲の「初恋」は、未だ色褪せぬ名曲です。

さてもさても、私にはいっそ恋愛系の話がありません。大体、恋愛対象として「いいな」と思った人はあとから聞くと性格が悪かったり、嫌われていたり、ろくでもない人であったことのほうが多い。中学生以降の私は大体人を見る目がありません。しかしそんな私が、唯一「あれはちゃんとした恋心だったな」と思った経験があったのを、思い出しました。ああ、そういえば、という感じで。それくらい昔の話。小学校三年生の時までさかのぼります。


流石に実名は出せませんが、シンプルに「好きだった」と言える人がいました。

席替えの時に、隣になってほしい、とあれほどねがった人はいないでしょう。理屈とかはぬきで、単純に好きだった。今考えても、「ああ、あれは間違っていない、ちゃんとした人だ」と言えます。しかし、彼女はかなり社交的な方だったので、どうしても話す機会がなく、そのまま時は流れ、やがて中学校も同じでした。しかし、遂に最後まで念願かなわず、クラスも一緒にならず、一緒になった生徒会執行部では私と対立する陣営にいることとなり・・・という、バトルものの小説とかにしたら多分ストーリー的にはおいしい展開なんでしょうけど、現実に起こると寂しさ満点のエピソードがありました。自分は、愚かな知識(私が持っている知識。周りからは博学とされるかもしれないが、私からすると愚か)を得る前の自分すなわち小学三年生の自分が「好き」と感じたあの感覚を、信じたいと思っています。これからの未来。


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