そんなだから…

専門学校時代は地獄でした。特に後期。

休み時間の人狼くらいなものです、面白かったものといえば。授業も教師が教科書を読んでいるだけで、何も面白くないし頭に入ってこない。先生に教える気は無いし、生徒にも意欲とか夢とか目標がないのが多い。そんな地獄での印象深いエピソード。


ある時課題が出ました。一言で言うと「面倒臭い」課題。単語を100個、10回ずつ書けみたいな。で、それをやってこいと。でも、述べたように生徒には意欲とかがなくて、もっというと僕のクラスは劣等生(前期に受けたテストの点数が悪かった人)の集まりでやる気も何もない人たちだったので、まあやってこないだろうとたかをくくっていました。そして、さあ提出日。俺は「欠席」という手段で提出日から逃げました。チキンなのでね。で、ちゃんと学校に行っていた子に聞いたんです。


「あの宿題、やってた人いた?」


返事はこうでした。


「やってきてない人が多すぎて提出日が延期になった」


唖然としました。逆を言えば、何人かはやってきていたということ。40人近いクラスで3人くらいがやってきてたらしい。ここで俺は強烈な違和感を覚えます。


「なぜ、あんなゴミのような課題を努力してやった3人を評価せずに、不真面目な大多数のために提出日を延期させるのか?」


というものです。まるでちゃんとしたことがバカみたいじゃないか。そして同時に、真面目に課題をやった3人に対する違和感も感じます。


「なぜ、必死になって抗議しないんだ。君たちが正しいのに」


と…。

はいはいって上の言うことを聞くだけで、間違ってることも間違ってると言えない。そんなだからいいようにされて、自分を壊してしまうんだ。と、当時もブラック企業の話は盛んでしたから強く思ったわけです。延期する方もされる方もどうかしてるよ、と思いました。社会の理不尽さを感じて、もうやめよう、こんなところで一生懸命になるのは馬鹿らしい。とそれが退学の理由の1つになったことは言うまでもありません。

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