総大将の謀略

私のクソエピソードといえばこれ、という話があります。(いっぱいあるけど)

高校時代、とあるゲームのギルドの総大将をやってました。ゲームの内容は、前回の話で出てきたディプロマシーにも似てますが戦国系の領土争いゲーム。100人を超えるメンバーを従えた、そのゲーム世界の中でも五本の指には入ろうかというそれなりの大勢力でした。ところが、ああだこうだいうギルドメンバーをまとめられない。いう事は聞かないし、遠征には失敗するし、統率も失敗続き。外交も失敗するし、得点稼ぎのために強い人を入れたけど結局スパイで求心力を失い・・・と、うまくいかないことが増えてきてだんだんストレスになってきたんですね。そこで行き詰まった私は同じギルドに半分幽霊部員の「」という同級生がいたので、彼と話し合って前代未聞の策を打ち出す事にしてみました。


「もうしんどい。いっそこのギルドのメンバー全員を、裏切ってみようか」


内容はこうでした。


①おさるをギルドから追い出す

②おさるの近くにいる幽霊部員に総大将の持つ権限全てを譲渡する

③おさるが自分の軍勢を率いて総大将となった幽霊部員を襲い、これの城を陥落させる

④幽霊部員が総大将となった俺のギルドは、全ておさるのものとなる


この策謀を立てる直感を、ギルド繁栄のために使えないのがなんとも皮肉な事ですが、この作戦は実行に移されました。未明、おさるが追放処分となり、ギルドの権限は幽霊部員に。そして、おさるが事前よりこしらえていた全軍勢を率いて出陣。ここまでは順調でした。


「総大将、裏切る―」


前代未聞の行為を、他のメンバーが黙ってみていない。そりゃ当然なんですが、なんと、おさるの近くにちょうどオンラインだったメンバーがいたんです。それが、急遽おさる軍の討伐に向かったのです。「しまった、奴も同時に追放しておけば」「夜中に作戦を決行していれば」と後悔がよぎるなか、メンバーとおさる軍の戦争がはじまりました。が、前述の通り「半分幽霊部員」のおさる軍は死ぬほど弱かった。幽霊部員の城をギリギリ陥落させられるかどうか程度の兵力しか持っていなかったおさる軍は大敗を喫しました。しかし権限が幽霊部員に渡った事でギルドは実質動かないものになり・・・その後私は消えました。おさるも消えました。ところが、どういう風の吹き回しかほどなくして、ゲームそのもののサービス終了が告げられたのでした。今はそのゲームの詳細などはほとんど消えており、内容がどんなものであったかを見ることは難しく、自分の記憶からも薄れていってます。エッセイ集の趣旨とは少し離れてる気がしますが、クズエピソードとして残しておこうかと思います。もう二度と、ああいうゲームで総大将はやりません・・・。


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