私の夏の涼み方(エッセイ)(1800字)


 ※注 このエッセイには大変お下劣な記述が含まれています。PG12くらいです。そーゆー話が嫌いな方はここで読むのをやめましょう。そーゆー話が嫌いじゃなくても小学生のみんなは、お父さんやお母さんと一緒に読んでね。



 毎日暑い日が続いていますね。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。私はエアコンと扇風機をガンガン効かせ、麦茶と梅干を食らいながら暑さをしのいでいます。


「我ながら大層な御身分になったものよのう」


 などと室温25℃の快適な空間でほざいている最近の私ですが、一昔前には夏の暑さは本当に身に堪えました。特に辛かったのは金沢に住んでいた時。落選したエッセイにも書いたように下宿にあるのはウチワだけ。エアコンも扇風機もなかったのですよ。


「でも金沢って雪国だからそれほど暑くないでしょ」


 なんて思ったあなた、大間違いです。いや、実は高校時代の私もそう思っていたのですよ。半袖なんか要らないんじゃないのかな~、それよりも寒さ対策どうしよう、なんてね。


 大誤算でした!


 北陸にはフェーン現象という熱風地獄が発生するのです。文字通り熱風が吹くのです。暑いです。ウチワが作り出すのも熱風なので何の役に立ちません。


 この灼熱地獄の苦しみの中、ある日、私はとある高名なお方から、手軽に涼を感じられる秘策を伝授してもらったのです。


 それは、


 キンタマを冷やす!


 これが効くんですよ。まあ、女性の方はタマがないので永遠に理解できないと思いますが、何と言いますかね、体の芯からキンキン冷えるって感じです。

 そもそもキンタマは内臓の一部ですからね。体の内側を冷やしているのと同じ。そりゃあ効きますよね。


 それにキンタマの適温は30℃くらいだそうで、温めるよりは冷やした方がタマにとっても良いのだとか。熱い風呂に入る時も40℃の湯がタマに直接触れないよう、両手でしっかりとタマを包み込むのが正しい入浴姿勢だそうです。


 とにかくキンタマは風通しのよい伸び伸びした空間でブラブラさせるのが一番良いのです。男こそスカートを着用すべきだと思うのですよ。ズボンなんかで毎日窮屈な思いをしているタマタマちゃんが気の毒で仕方ありません。総理、なんとかしてください。


 え~、話が夏の涼み方から外れてしまいましたね、すみません。


 で、金沢を去ってからもこの涼み方は止められませんでした。歳を取るとともに冷やし方も過激になっていきます。タマに当てていた濡れタオルが氷になり、メンソレータムになり、某製薬会社の冷えピタになりと、更なる涼味を求めて手段は加速していきます。


「くは~、しみるぅ~」


 薬物系は結構刺激が強いのですが、その後のスースー感が病みつきです。もう真夏の酷暑なんてどこ吹く風ですよ。某製薬会社には「キンタマ専用冷えピタ」を開発して欲しいものだと切に願っております。


 こんな嗜好の持ち主はそうそう居ないだろうなあと、このエッセイを書くにあたってちょっとググってみたところ、そうでもないみたいですね。同じことをやっていらっしゃる方が結構存在していました。中にはどの薬剤がキンタマに相応しいかの考察までしていらっしゃる方もみえましたよ。


 やはり世の男性諸氏にとって、


「暑さ対策にはタマ冷却!」


 はどうやら一般常識であるようです。私も安心しました。これで人の目を気にすることなく、思う存分キンタマに熱さまシートを貼ることができます。


 ググっていて見つけたのですが、「金冷法」なるものもあるようですね。これはキンタマを冷やしたり温めたりして精力を回復する方法だとか。私には関係ないので無視です。


「タマを冷やすとタマんねえな。この快感、女にはわかるまい、ふっふっふっ」


 と今日もエアコンの効いた部屋でキンタマを冷やす私。最近は暑さ対策だけでなく、プロットが行き詰ったり、妙案が浮かばなかったりした時、頭をスッキリさせるためにタマを冷やしたりしています。


「タマを冷やせば頭も冷える!」


 新しい名言の完成です。


「ふーむ、今日のタマ君にはウナクールパンチでも塗ってあげようかな」

「やめて、タマ君のライフはもうゼロだよ!」

「悲鳴をあげても無駄さ、へっへっへ。タマ君、覚悟!」


 冷やされるキンタマにも我慢の限度はあるでしょうが、人間の欲望って限りがないですからね。まあ、ドライアイスや液体窒素にまでいくことはないと思うんですけど、タマを冷やすのもほどほどにしないといけませんな。

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