魔術
♯6
翔真「…………」トコトコ...
円香「…………」トコトコ...
〜〜〜回想〜〜〜
『今日は円香に君の家の近辺を見張らして置くわ。何か動きがあれば連絡ちょうだいね』
〜〜〜〜〜〜〜〜
翔真(気まずいっ!!!)
翔真(俺ん家方向に一緒に歩いてるにも関わらず一切会話がない!気まずい!!!しかも後ろ歩いてるのはうちの大学の憧れの的だぞ!?)
翔真(なんか話した方がいいのか…?)
円香「………」
翔真(無理だーーーー!)
円香「名前…」
翔真「へ…?」
円香「どうして私の名前知ってたの?」
翔真「どうしてって…うちの大学では有名人だから…?」
円香「え!?能大?」
翔真「まぁ…」
円香「ほんとに?全然知らなかった」
翔真「まぁ俺もこないだまで知らなかったからな」
円香「名前…」
翔真「……ん?」
円香「名前…まだ知らないなって」
翔真「あぁ俺のね!」
翔真「日坂 翔真。2回だよ」
円香「同い年だ。日坂君だね」ニコッ
翔真「………!」
翔真(やべぇ俺今顔赤くねぇか…!?)
円香「さっきは何も聞きもせずに斬りかかっちゃってごめんなさい」
翔真「いや、大丈夫。怪我もなかったし…死にかけたけど」
翔真「さっきの黒いのってさ…。東雲の能力なのか?」
円香「うん…!」
円香「手、出してみて」トントン
東雲はかぶってる帽子を人差し指で優しく叩いた。
シュルルルルル!!!!
帽子から出てきた黒い帯が俺の掌で野球ボールくらいの大きさにとどまる。
円香「それが私の能力」
翔真「この…黒いのがか?」
「黒いのではない。俺にはちゃんと名前がある」ギョロ
翔真「うぉおっ!!?目!?」
円香「私の家系は召喚術を専門とした魔術の家系でね。召喚術といってもいろんな種類がいるんだけど私の家系は一体だけ魔物を召喚して、魔術師である限りのパートナーにするの」
円香「今日坂君の手に乗ってるのが私の召喚獣。名前はシュバルツ」
翔真「これが…魔物…?」
シュバルツ「これとは失礼だぞ若造」
円香「私も14歳の誕生日の時に召喚の儀式を行ったんだけど…。何か手違いがあったのか、どんな系統かも出生も全くわからない魔物を召喚しちゃったみたいで…」
シュバルツ「俺はこの世界とは違う、また別の次元から来た生物だ。俺もなぜ違う次元から召喚されたか分からないが契約が成立した以上、俺は円香に全力を尽くし協力する」フンス
円香「まぁ逆に誰も見たことないような魔物だから対策は立てられにくいし、シュバルツは色んなものに形を変えて攻撃出来るから使い勝手もいいんだけどね」
シュバルツ「当たり前だ。俺はお前が召喚した魔物だ。お前が召喚した魔物が弱いわけがない」
円香「う、うるさいっ///」
円香「と、とにかく!今日は私は日坂君の家を見張るから!」
翔真「おう、よろしく」
円香「後はあれだ。シュバルツ、今日倒したあいつ、後で調べよう」
シュバルツ「今は俺の中にいるから寝てるが、外に出したらすぐに起きるかもしれないぞ?」
円香「梨々子さんに渡したら調べられないでしょ、起きたらまた気絶させたらいいの」
翔真「…そういや、東雲は俺に獲物を取られたくないって言ってたな…。取られたらなんかマズイことでもあったのか?しかも梨々子さんて元締めの人だろ?」
円香「……」ピクッ...
シュバルツ「小僧、それは円香の前では…」
翔真「……え?」
円香「でも日坂君は知っておいたほうがいいかもね。
いいよ。話してあげる」
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