天眼
♯3
青柳「本当に来ないのか?」
翔真「今日は気分悪いからやめとくわ」
照彦「じゃあ俺もバイトある…
青柳「お前は今日バイトないのは知ってるぞ赤津」
照彦「なんだテメェ気持ち悪りぃ!なんで俺のバイトがない日とか知ってんだよ!なんだ!?俺のこと大好きか!?テルさんにそんな趣味はないでごじゃる!なんで二日も連続でメイドカフェなんか行かなきゃなんねぇんだよ!!しかもお前と!!」
青柳「まぁまぁそう邪険にするなよ。赤津だって昨日オムライスにケチャップで『テル オン ザ ライド』って書かれて喜んでただろ」
翔真(『オン ザ ライド』って…」)
照彦「俺はな!自分大好きなの!」
翔真「悪いな、また次は行くよ!」
青柳「じゃあまた明日な」
照彦「赤津様はこんなことしてる場合じゃねーの!」ズルズル
照彦「ハナセェェェェエ!!!!」
・
・
・
・
翔真(さっき視えたあれ……)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翔真「分かったよ
ん……?」
照彦「あん?…どうしたよ」
翔真「いや、なんでも…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翔真(青柳とテルの頭の上に黒いモヤみたいなのがかかってた…。あれは何だったんだ?)
翔真(でもよくドラマとかアニメであるよな、そういう黒いモヤみたいなのが見えた次の日にその人が死んだみたいな…そういう、なんていうの?『死相』が見える能力を持ってるっていうか…)
翔真「んぁあ〜〜〜!どうしちまったんだ!?俺の左目!!」ボリボリ
翔真「幽霊が見えるようになって、死相が見えるようになって…見えるのは幽霊だけじゃないって事は…他にも色々見えるってことか!?」
翔真「とにかく眼帯してれば見えることはないけど…でもどうせならもっと色んなもの見るべきなのか?」
翔真「…………ちょっと待て……。待て待て待て!青柳と赤津の頭の上に見えたものが本当に死相なら…!あいつら危ねぇんじゃねぇの!?」
翔真「……さすがにないか。帰ろ」
翔真「……………………」
・
・
・
・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
青柳「今日はまた別の店に行くぞ、赤津」
照彦「あぁん!?聞いてない!全然聞いてない!!俺は昨日の樹里ちゃんにオンザライドしてもらうんだい!」
青柳「なんだもう名前覚えたのか。結局お前も好きなんじゃないか」
照彦「青柳ぃ、お前もさぁ?メイドカフェなんか行ってっから彼女できないんだぜ?せっかく顔はそこそこ整ってんのに中身が残念だからなー。メイドカフェいくもんなー。」
青柳「む…。聞き捨てならんな。メイドカフェは強いて言うなら俺にとってアイドルみたいなものだ。それに、俺は好きな女の子とよく遊びに行くぞ?夏までには告白もする予定だ」
照彦「えぇっ!!?聞いてない!」
青柳「向こうに一回告白されたんだが、どうも女の子に告白させるのもどうかと思ってな、日を改めて自分から告白するつもりだ」
照彦「あぁ神様…人の上に人を作らずという言葉はどういう意味かを教えてください……」
照彦「……お前だけセコイぞ!!」
青柳「そんなこと言われても、こればかりはなぁ」
照彦「くぅーー!嫌みたらしい!青柳ハードモードだ!」
青柳「赤津も清純派が好きなら、もっと好青年って感じの格好したらどうだ。髪の毛も染めてピアスも開けて」
照彦「オシャレだよ!オシャレでチャラついて何が悪いのさ!」
青柳「でもお前から見してもらった彼女って、みんなとても清純派とは言えない感じだしな…いい子な事には変わりはないんだろうが」
照彦「はい来ましたー最後の言葉で株あげようとする奴ぅ?」
青柳「そこだぞ!?そういう所だぞ!!」
照彦「やっかましい!お前の中で俺の株上がったって俺にはなんの得もねえーーの!」
ブ--ブ--!!ギャ--!!ギャ--!!
???「ちょっといいかな…」
照彦「ん…?なんだよおっさん!今取り込み中だ!」
青柳「失礼だぞ赤津」
???「おっさ……。……ちょっと聞きたいことがあってね…。時間は取らせないから少しだけいいかな?」
・
・
・
・
・
翔真「ハァッ…ハァッ…。ここだよな!?いつも青柳が来てるメイドカフェって…」
「「お帰りなさいませ〜」」
翔真「……いない…!!」
翔真「くっ…!ハァッ…ハァッ。何か…どこ行ったんだよ!」
翔真(ダメだ…!見つからない!)
翔真(……この眼を使えば…なんか分かるか……?試してみる価値はある!!)
バッ!!
キュィィィィイイ----
翔真「ハァッ…ハァッ…この路地裏…ここから何か感じる…」
翔真(通り魔に刺されたとか…!?いやでもテルだけならともかく、青柳もいるんだぞ!?)ゴクリ...
ジャリっ………
ーーーー!!!
翔真「なんだよテメェ…何してんだ!!!!!」
目に飛び込んで来たのはーー。
地面に倒れたテルと青柳
その間に立つ如何にもな男。
???「おっと…見られてしまったか」
照彦「…………」
青柳「日……坂……」ズル...
???「こっちの少年はまだ意識があったか…」
翔真「お前がやったのか…」
???「その眼……君だね…。新しい眼の持ち主は。まさか奴がこんな島国にまで逃げてきてるとは…」
翔真「テメェが二人をやったのか!?」
???「まぁそう怒るなよ。君がギリギリで来てくれたお陰でまだトドメまではさしてない。」
???「自己紹介が遅れたね。私のの名はシュトラス。シュトラス イングラムだ。ある者に雇われてその眼を探している」
シュトラス「ちょうどいい。今から殺そうと思ったこの二人。解放してあげよう。 その眼を渡せばの話だが」
シュトラス「大丈夫!すぐ終わるよ!コンタクトを変えるのと大差ない」
翔真「お前みたいな危ない奴に渡せるわけないだろ!!」
シュトラス「君さ、その眼がどういう代物か分かってる?」
シュトラス「『イビルフォーカス(業魔の天眼)』」
翔真「イビルフォーカス…?」
シュトラス「その眼の名称だ。眼にしたもののあらゆる真意を見抜く原点へと迫る天眼。『神をも見透かす眼』とも言われていてね。ある日、奪われちゃって行方が分からなくなっていたんだよ」
シュトラス「だから私は元の所有者に返すためにここにきた。
君だってその眼を持つことで人生を狂わせたくないだろ?それだけの力がその眼にはある。さぁ早くそれを渡すんだ」
翔真「へへっ…。今の言葉聞いたら…なおさら返すわけにはいかねぇな!それに、お前がマトモな組織の連中だったとして、ワケが分からない一般人のテルや青柳を殺そうとするわけがないもんな」
シュトラス(これはまた…厄介な奴が眼を持ったな…)
シュトラス「だったらなんだ?
死ぬか?」
翔真「……っ!!?」ゾクッ!!
シュトラス「別に死んだ後でも眼の回収は出来るからな逆に死んでる方が好都合かもしれないな」
ボコっボコォっ
翔真「地面が…盛り上がって…!手の形に…!」
シュトラス「私の能力『ソーシャルアダマント』は土や地面の硬度、形を操作し動かす事も可能な能力でね。なんでも君は死にたいらしいから…最高の能力で最高の死に様にしてあげよう!」
シュトラス「ゆけっ!」
翔真「わっ…!」ピョンッ!
ドゴォンっ!!
シュゥゥゥウ
翔真「壁に穴開けやがった…!」
シュトラス「外したか…。ちなみに今そのコンクリートの手はダイヤモンドくらいの硬度に設定してあったんだけど…これはどうかな?」
ヒュババンッ!!
翔真「石を飛礫にしてっ…!」
メキメキッ……
翔真「ぐぁっ…!」
ドォンっ!!
翔真「ぐぅぅぅぅ……!!」
翔真(痛いっ…!すごく痛い…!能力での攻撃ってこんな痛いのか!?)
シュトラス「まだだ」
ォォォォオオオ...
翔真「やべっ…!」
ドォォォオンっ……!!
翔真「ハァッ…ハァッ…なんなんだよ…あんなの勝てっこねぇ…こっから動けないテルと青柳二人を引っ張って逃げるなんかできるわけがない…!」
翔真「誰か……!」
翔真「……………………」
翔真(違う…。あんなのが相手じゃ普通に助けを呼んだって…何人集まったってかないっこない…)
シュトラス「うまく避けるな。やはりその眼が原因か…」
翔真(そうだ…!俺だ…!俺だけだ…!何を怖がる必要がある!やらなきゃこっちがやられる!)
翔真(さっきまでは意識してなかったけど…奴は言ってた…この眼は『神をも見透かす眼』だと…!まだ見えるものがあるはずだ!そんな眼が幽霊や死相だけしか見えないなんてことがあるわけがない…!)スッ...
翔真(あるはずだ…あの能力にだって『穴』が……現状を打開できる隙が…!)
翔真(視てやる…!お前の能力を…
そして答えを…)
翔真「導き出す……!!」キィィィィイ...
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます