業魔



♯2



「ハァ…ハァ…聞いてねぇ!協会には伝わってなかったはず!!あんな奴が…!一体どこから…!?」


「くっ…賞金稼ぎか…!?



ぎゃぁぁぁあ!!」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


青柳「日坂。これから赤津とメイドカフェに行くんだがどうだ」


照彦「俺は勝手に入っちゃってる!!?拒否権無し!?」


翔真「俺今日バイトあるんだ、悪い」ゴメゴメ


照彦「わりぃ青柳、俺もバイ

翔真「お前さっきカラオケ行こって言ってきただろ」



青柳「よし行くか」ズサササ

照彦「やめて!テルさんまだ素人童貞になりたくない!!!」

青柳「メイドカフェを汚れた目で見過ぎだ」




翔真「んじゃ、また明日なー!」


翔真「さて…と」


カラン


翔真「うーっす」


店長「翔ちゃんお疲れー」


店長「今日はもうお店の方は僕一人で出来るからお弁当だけ届けに行ってくれるー?」ピラ


翔真「あれ、今日はなんか多くないですか?」


店長「あー竹中さんとこの奥さんが旅行に行ったから、あそこのおじいちゃんおばあちゃんの分も今日はあるんだよ。ちょっといつもより遠回りだけどよろしくね。バイクの鍵はカウンターに置いてあるからー」


翔真「オッケーです」


ブロロロ………


俺のバイト先は喫茶店。

なんだけど、店長は気のいい人で町の一人暮らしのお年寄りとかに週何回かお弁当も作ってる。


俺の仕事は喫茶店の手伝いとお弁当の配達。


翔真「まいどー」


「おぉー翔ちゃん。いつも助かるよ。あぁ後これが今月の分の弁当代…と孫からもらったんだけど一人じゃ食べれないし、これ持ってって」


翔真「いやーそんな困るよ」


「いいのいいの、どうせ食べないのなんて腐るだけだし、ほら持ってって持ってって」ケラケラ


〜〜〜〜〜〜〜


店長「翔ちゃんおかえりー…おぉっふ…今日もなんか色々持って帰ってきたね」


翔真「これ佐藤さんから今月のお弁当代です」チャリ


店長「あいよ。今日はもう店閉めるから上がっちゃっていいよ。晩御飯は?食べてく?」


翔真「じゃあいただきます」


〜〜〜〜〜〜




翔真「お疲れ様でーす」




翔真「さぁ帰ろっと。撮り溜めたアニメ見ないとな…」


スゥウ...


翔真「あれ?あの子…大学の…えー…東雲?」


翔真「何してんだ…?」


ヒュバンッ!!


翔真「うぉおっ!!?跳んだ!?なんかの見間違いか…?」



翔真「なんだったんだぁ?あれ…疲れてんのかな俺…」

ドンっー


翔真「っと…すいません……!!」


ぶつかったのは見たこともないような大柄の男。


翔真(何センチあんだよこいつ!)


男「私はもう…疲れた」


翔真「えっ…?」

翔真「!!!?」


男は一言喋ると突然俺の首を絞めてきた


翔真「ぐっ…あ…何すんだよ…お前…!離せコラ!!」


男「君なら…どうする?」


翔真「あぁ!?テメェ…何言って…」






翔真「はっ………!俺の…部屋?」




翔真「いったい…何が…っつぅっ!なんだ?左目が…」


左目に走る激痛。急いで鏡を見に行く


翔真「酷い充血…腫れてるし、視界もぼやけてるし…


ゲ…学校じゃん!」



翔真「眼帯つけてくしかないか…」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜


照彦「ギャハハハハハハ!!」ケタケタ


翔真「笑ってんじゃねぇよー」グデェ


照彦「だっておまっ…左目って…!まーだ治ってねぇのか!?厨二病!」ゲラゲラ


翔真「お前だけは笑わないって思ったのにぃ!!」


青柳「誰もが通る道だ」


翔真「青柳〜」


青柳「心配するな日坂…俺は…何も…いわん…ブフォっ」


翔真「………ちょっとトイレ」







翔真「痛い…なんだ?おかしいだろなんでこんな目ぇ痛いんだよ…」


翔真「くそ!どうなってんのか見てやる!!」ガンタイトル



ーーーーーー!!?






翔真「なんだよ…これ…」



朝は充血して、腫れてた目だったのが

充血も腫れも綺麗に引いている


でも見るべきところはそんなところじゃなかった


だって俺の左目は…




翔真「薄い黄緑みたいだけど…どうなってんだ?これ…!昨日のやつがカラーコンタクトでも入れたのか!ってどんな目的だよそいつ!!なんで左目だけ…!!」


両手で左目あたりを指で広げ鏡を入念に見る


すると鏡に映ったあるものが再び俺の視界に入った


翔真「うわぁぁあ!!?なんだお前!!?いつからいやがった!?」



霊「ワシのことか?お前さんワシのことが見えるのか」


翔真「見えるのかって…!おっさん幽霊なのか!?」


霊「そうさよ。お前さんが来る前からずっとここにおったけどな」


翔真「んな訳ねぇだろ!入ってきた時は見えなか…」


翔真「ん…左目……?」ヒダリメカクス


翔真「…見えない…」


翔真「……見える」ヒダリメカクサナイ



霊「ワシのことが見えるっちゅうことは外の奴らも見えるんじゃのうて?」


翔真「外の奴ら?」


霊「今同世代くらいの霊達と外で集まってるでな」





翔真「なんじゃこりゃぁあ!!?」


照彦「おっ、出てきた出てきた遅えぞ翔真ウンコだったのかー?」


翔真「やべっ」ササッ


青柳「どうした日坂。左目が痛むのか?」


照彦「なんだよ、そんなに痛いのならいっぺん見てやる!そら、左手どけろ!」



翔真「ちょっ…」


照彦「!!」

青柳「!!!」


翔真(見られた…)


照彦「ギャハハハハハハ!!なんだよ!やっぱりそういうことかよ!!カラコンまでつけるたぁ凝ってんな!」バシバシ!!


青柳「左目だけというところには、もはや執念すら感じられるブフォ」



翔真「いっ…いいだろ別に…」

翔真(恥ずかしいけどこれでごまかすか…)



翔真(それにしても……幽霊が見える目……って事になるのか?これ……。)



照彦「でもよでもよ!さすがにそれで一緒に居るのは恥ずかしいから、食堂行くときは外すか、眼帯しような!」ケラケラ


翔真「分かったよ



ん……?」


照彦「あん?…どうしたよ」


翔真「いや、なんでも…」


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