第90話 恐怖、服だけを溶かすモンスター!

 ピーチケッツ号で大海原へ出た俺達。


 そんな俺達を襲ったのは、巨大なタコだった。


「プリィイイイイ!」


 タコが大きく叫ぶ。


「ま、マイホーム!」


 俺はマイホームを出す為に叫ぶ。


 さいわい、今は戦闘前だと判断されたのか、マイホームの扉が俺の尻から出てきた。


 マイホームは戦闘中には呼び出せない。なんとか間に合って良かった。


「ユミーリア、エリシリア! 敵が出た、すぐに出てきてくれ!」


 俺はマイホームの中で休憩中の二人を呼び出す。


 一瞬マイホームの中に避難しようかとも思ったがそれは悪手だ。

 外の船が破壊されたらヒエコッチ島に行けなくなってしまう。


「わ、わかったよ」

「ま、任せてくれ」


 ヨロヨロと二人が出てくる。


「ま、まだゆれてる気がするよー」

「気のせいじゃないぞユミーリア、外に出たらまた船だ。またゆれる」


 二人はまだ回復していなかった。


 ユミーリアとエリシリアが外に出た途端、タコが船に近づいてきた。


「プリィイイイイ!」


 タコがその触手を伸ばしてくる。


「うおっ!?」


 タコの触手は、俺の足を絡め取った。


「うおおおお!?」


 俺はそのまま、宙吊りに引き上げられる。


「リクト!」

「リクト様!」


 宙吊りにされた俺に向かって、触手が伸びてくる。


「この! はなせ! はなせ!」


 俺はなんとかもがくがどうにもならなかった。


 多数の触手が、俺の身体に絡みついてくる。


「ヒイッ! や、やめろお!」


 なぜだ、なぜ俺なんだ? なぜ他のヒロイン達を狙わない!

 男の触手プレイなんて、誰もよろこばないぞ!


 その時、シュウウっと音がした。


 なんと、絶壁のコート以外の俺の服が、溶けだしていた。


「な、なんだと!?」


 触手に当たった部分がどんどん溶けていく。


 だが、肌は溶けない。どうやら服だけを溶かす粘液みたいなのが出ているみたいだ。


「思い出しました! リクト様、そのモンスターはダイフクダコです! 男性の汗が染み込んだ服を好み、触手から出る粘液で服を溶かして吸収する、海の男たちにとってはまさに天敵となるモンスターです!」


 マキが解説してくれる。


 うん、なんだこのモンスター。

 せっかく服だけを溶かす粘液が出せるのに、男の汗が染み込んだ服が好みだと?


 なんつークソモンスターだよ!

 溶かすならヒロインの服を溶かせよ!


 なんて思っている間にも、どんどん俺の服が溶けていく。


「はわわ、り、リクトの服が!」

「あ、ああ。このままではマズイぞ!」


 ユミーリアが両手で顔をおおい……指の隙間からこちらを見ている。

 エリシリアはガン見していた。


「たあっ!」


 コルットがタコを攻撃する。


 しかし、タコのやわらかい身体は、その衝撃を吸収する。


「フニフニでポヨポヨだー!」


 コルットはタコの身体をトランポリンの様にして遊び始めた。


 楽しそうだな、コルット。


 タコもなぜかコルットに攻撃しない。

 むしろ遊ばせてやっている感じさえする。


「リクト様、ダイフクダコは男性の服を溶かす以外は、無害なモンスターなのです。物理攻撃を全て吸収してしまう体質な為、倒すのが大変だという事もあり、海で出会ったら大人しく逃げるのが一番と言われています」


 ほんとに男の服を溶かすだけのモンスターかよ。

 完全に嫌がらせなだけじゃないか。


 そうこうしている内に、触手がついに、俺の股間にまで伸びてきた。


「ま、待て! そこだけは待て!」


「はわわわ!」


 ユミーリアが真っ赤な顔で、どんどん広がる指の隙間からこちらを見ていた。


 エリシリアも顔を真っ赤にして、ゴクリとつばを飲んだ。


「って! なに見てるんだよ! 物理攻撃がきかないだけなんだろ! ユミーリア、炎の剣の炎で攻撃しろ! エリシリアも、光のムチなら通用するはずだ!」


 俺に言われて、二人がハッと気づく。


「そ、そうだよね」

「そ、そうだったな」


 二人はそう言いつつ、なぜかモタモタと武器を取り出す。


「マキ! お前も攻撃魔法くらい使えるだろう!」

「申し訳けありませんリクト様。このモンスターを倒す程の魔法となると、レベルが足りません」


 ああそうだった。これまで数回抱きついただけだもんな。

 ゲーム本編に比べたら、魔力供給が全然足りてないか。


 あとはコルットだが、とても楽しそうにキャッキャッとタコの身体で遊んでいる。

 やはりユミーリアとエリシリアに頼むしかない。


 そうこうしている内に、タコの触手はコートの内側に入り込み、俺の服をどんどん溶かしていく。


「ぬおー! 二人ともー! 早くしてくれー!」


 さすがにマズイと思ったのか、ユミーリアとエリシリアが攻撃にうつる。


「プリィイイイ!?」


 ユミーリアとエリシリアの攻撃に、タコが驚いて俺をはなす。


 コルットはうまく船に飛びうつっていた。


「のわあああ!」


 俺はそのまま、海に落ちた。


 だがすぐに天使のケツを発動し、尻から生えた翼で空へと舞い上がる。


「ぶはっ! はぁ、はぁ!」


 服がほとんど溶けた上に、びしょぬれになった。最悪だ。


 俺は飛んで船の上に戻る。


「災難でしたね、リクト様」

「はぁ、はぁ、まったくだ」


 俺は仰向けに倒れこむ。


「だ、大丈夫リクト?」


 ユミーリアが心配そうな顔で……チラチラと服が溶かされた部分を見ながら聞いてくる。


「ああ、危ない所だった」


 コートだけは無傷だったが、上半身はほとんど裸同然だ。

 下半身は、もう少しで股間の布が全て溶かされてしまう所だった。一応何とか、股間を守れるくらいの布地は残っていた。



「……とりあえず、着替えてくる」


 俺はマイホームを出して、ヨロヨロと自分の部屋に向かった。


 着替え終わって1階におりると、ソファと床に、ユミーリアとエリシリアが転がっていた。


「二人とも、まだ船酔いか?」


「うーん、ずっとゆれてる感じなのー」

「我ながら情けない。が、ユミーリアと同じだ。ずっとゆれてる感じがして気持ち悪い」


 俺は二人にゆっくり休む様に言って、マイホームを出る。



「リクト様、ちょうど良い所に。ご覧ください、あれがヒエコッチ島です」


 マキに言われて前を見る。


 すると遠くの方に、島が見えた。


 島の周りには、巨大な氷の塊がただよっている。


「普通なら、あの氷の塊が邪魔で近づけません。ヘタに当たると船に穴があきます」


 マキがイカリを海の底に沈めて、船を止める。


「ユミーリア様の炎の剣であればあの氷を溶かす事が出来ますが……ユミーリア様の回復を待つしかないでしょう」


 ユミーリアは今、船酔い中だ。


 マイホームの中で回復を待つしかない。


 俺達はその場で少し休憩する事にした。



「リクト様」


 船の上で休憩していると、マキが話しかけてきた。


「先ほどの戦闘でハッキリいたしました。やはり私は、このままではお役に立てません。ですので……魔力供給、してください」


 マキが襟元をゆるめて、こちらにせまって来る。


「ま、待て! ほ、ほら! コルットが!」

「コルット様は遊びつかれて今は船内でお昼寝中です。ユミーリア様とエリシリア様はマイホームの中ですし、ここは船の上……邪魔は入りませんよ?」


 マキがどんどんせまってくる。


 そして俺は、マキに押し倒された。


 波の音だけが、聞こえてくる。


 いや、ひとつだけうるさい音があった。

 俺の……心臓の音だ。


「さあリクト様。今度はタコではなく、私が服を脱がしてさしあげます」


 マキが俺の服に手をかける。


 そして、露出した肌に、指をはわせる。


「あふっ」

「ふふ、可愛い声」


 マキが俺の身体を撫でる。


 そして、どんどん密着してくる。


 やがて俺の身体から、ピンク色の魔力があふれ出した。


「はぁ……なんて心地良い魔力。これだけで私……もう、たまりません」


 マキが身体をうねらせながら、こちらに密着してくる。


 やわらかかったりいい匂いだったりで、俺はもう、理性が吹っ飛びかけていた。


「ま、マキ。こ、これはその、ま、マズイ」

「いいえ。これはあくまで魔力供給ですから、何の問題もありません」


 ああそうだ、これは魔力供給なんだ。


 それに今は、誰も見ていないもんな。ちょっとくらい……ん? 誰も、見てない?


「……」

「ん? どうしました、リクト様」


「ま、マキ」

「はい」


「……ら、ランラン丸が見てる」

「……ああ」


 俺とマキは、ランラン丸に目を落とす。


「せ、拙者何も見てないでござるよ?」


 俺にしか聞こえない声で、ランラン丸が話す。


「そうでしたね。ランラン丸様が見ておいででした。では……」


 そう言ってマキは、俺に身体を密着させたまま、動きを止めた。


「ま、マキ?」

「少し効率は悪いですが、このまましばらく魔力をください。この体制でも、魔力は頂けますから」


 マキの言う通り、俺のピンク色の魔力は、マキをおおっていた。


 俺達二人はしばらくの間、船の上で抱き合った。


 自分で言った手前、手が出せないせいで、余計にムラムラした。


「リクト殿のヘタレー! なんであそこで拙者の名前を出すのでござるー! ああもうこのヘタレー!」


 ランラン丸がうるさいおかげで、なんとか耐え切る事が出来た。


「ごちそうさまでした」


 しばらくして、俺から離れたマキが唇をペロッとなめた。とてもエロかった。



「あ……」


 マキとの魔力供給が終わってしばらくした後、俺はある事に気付いた。


「どうしたでござる? リクト殿」

「うん、もしかしてと思って」


 俺は立ち上がり、マイホームを出す。


 そして中にいるユミーリアに向かって、回復魔法をかけた。


「ゴッドヒール!」


 俺の尻が光り、ピンク色の光がユミーリアを包み込む。


「どうだユミーリア、船酔い、治ってないか?」


 ユミーリアが手足を動かす。


「うん! 気持ち悪いのがなくなったよ!」


 やっぱりか。


「はは、もしかして、船酔いも状態異常って事で治せないかと思ったら、正解だったな」


「も、もっと早く気付いて欲しかったぞ、リクト」


 俺はグロッキーなエリシリアに謝りながら回復魔法をかけた。



「ではまず、魔法をかけます」


 マキは俺達に、身体の周囲の温度が適温になる魔法、カイテキスをかける。


 なんでもこれ以上ヒエコッチ島に近づくと、一気に寒さが増すらしい。


 魔法をかけ終えると、船を島に近づける。


 すると氷の塊が目の前に近づいてきた。


「それじゃあいくよ! えーい!」


 ユミーリアが炎の剣を振り下ろすと、剣から炎が出て、目の前の氷の塊を溶かしていく。


「わたしもやるー!」


 コルットがユミーリアが炎を飛ばすのを見て、自分も炎の魔法を放つ。


「すごいですねコルット様、炎の魔法が使えたのですね?」


 マキが驚いていた。


「うん! おかーさんに教えてもらったの!」


 コルットは格闘家の親父さんと、魔法使いのお母さんのハイブリットだった。


 ユミーリアとコルットが、どんどん周囲の氷を溶かしていく。


 それを見て、マキが船を操縦し、前進する。



 そしてついに、俺達はヒエコッチ島へと上陸した


「これが、ヒエコッチ島か」


 ヒエコッチ島は、氷で出来た不思議な大陸だった。


 俺達はピーチケッツ号を降りて、地面を踏みしめる。


 地面も全て、氷だった。


「わーいツルツルー!」


 コルットが楽しそうに滑っていた。


「こらコルット、危ないぞ」


 そんなコルットを、エリシリアが注意する。


「みなさま、足元に気をつけてください。かなり滑りやすくなっています」


 マキが俺達に注意をうながす。


 確かにこれは、滑って転んで頭でも打ったら、即死だな。



 なんて思ったのがいけなかった。


 ツルッ!


「あ」




「おお素晴らしき尻魔道士よ、死んでしまうとは……プフッ! なさけない」


 俺は、滑って転んで死んだ。


「ふざけんなよ! 別にわざわざフラグ回収しなくてもいいじゃん! ていうかあの島なんだよちくしょー!」


 俺は真っ白な空間で、あまりの理不尽さに地面を叩いた。


「いいですねえ。そのフラグを全て回収しようとする姿勢、素晴らしいですよ」

「俺はうれしくもなんともないわ!」


 神様は今回、男勇者ユウの姿だった。


 ユウの顔で笑う神様が、とてもむかついた。


「あっはっは。そうだ、あまりにも素晴らしい死にっぷりを見せて頂いたお礼に、今回は少しサービスしてあげましょう」


 サービス? 攻略のヒントはほとんどくれない神様にしては珍しい。


「何をくれるんだ?」

「いえ、差し上げるというよりは、抜いてあげると言った方が正しいでしょう?」


 抜く? 何を抜くんだ? わけがわからん。


「ほら、あなた最近仲間の女の子が増えて、毎日ムラムラしているでしょう?」


 確かに、特にマキのアピールがキツイ。その内手を出してしまいそうだ。


 俺としては手を出すなら、邪神を倒してメインストーリーをクリアして、ちゃんと告白してからに、したい。


 だからその……今、勢いで手を出すのは、できればしたくない。


「そこで今回は特別に、そのムラムラを解消してあげましょう」


 ムラムラを解消する?

 そして、抜く?


「ま、待て! 何をする気だ? 何をして抜くんだ!?」

「ふふふ、心配しないでください。痛くはしませんからね?」


 神様が手をワキワキさせながら近づいてくる。


「ば、馬鹿! やめろ! 俺はそっちの趣味は無い!」

「まあ、抵抗しても無駄ですけどね」


 神様がそう言うと、俺の身体が動かなくなる。


「や、やめろおおお! やめてくれえええ! 嫌だ! 初めては女の子がいいんだ!」


 俺の言葉を無視して、神様は俺の尻に手をそえる。


 するとスッと、身体から何かが抜けていった気がした。


「はい、終わりましたよ」

「……へ?」


 俺はあっけにとられた顔で、神様を見る。


「あなたのムラムラを抜き取りました。これでスッキリしたはずです」


 確かに、なんだかスッキリしている。


 さすがは神様だ。ムラムラというよくわからないものをそのまま抜き取るとはな。


 てっきり俺は……いやよそう。もはや何も考えたくない。


「それでは、ここからはいつもの儀式、ですからね?」


 そう言うと神様は俺の尻を撫で始めた。



 方法はどうあれ、俺はユウの姿をした神様に、ムラムラを抜かれて尻を撫でられたのだ。


 そう思うと……死にたくなってきた。俺、すでに死んでるのにな。


 考えれば考えるほど、気分が沈んでくる。


 それとは反対に、気分は最高潮といった感じの神様が、俺の尻を撫で終える。


「それでは素晴らしき尻魔道士よ、そなたに もう一度、機会を与えよう!」


 俺の目の前が光り輝き、真っ白になった。




 男の神様に、尻を撫でられて、ムラムラしたのを抜かれた。


 その事実だけが残った。


「ううっ」


 俺は生き返り、自室でひとり、枕を涙で濡らした。



 俺達は再び氷の大陸に向かう事になる。


 ウミキタ王国に向かい、ピーチケッツ号を手に入れ、大海原に出る。


 とはいえ、このままではまた滑って転んで死んでしまうかもしれない。


「うーん」


 船の上で、俺はひとり考えていた。


 俺が考えながらうなっていると、ランラン丸が話しかけてきた。


「どうしたでござる? リクト殿……って、あ。なるほど、また死んだのでござるな」


 どうやらランラン丸にも、前回の記憶がよみがえった様だ。

 なんでこんなに時間差があるのかは、謎だ。


「うわぁ……氷で滑って転んで死ぬって、前回よりも酷すぎる死因でござるな」


 前回は敵が足場を壊して一緒に落ちて死んだ。今思えば、今回よりはマシな死因だったな。


「しかし、あきれてる場合じゃないぞ? あれは注意すればなんとかなるってレベルじゃない。何か方法がないか考えないと」


 俺が再び考え出すと、ランラン丸が案を出した。


「リクト殿」

「ん?」

「飛んで移動すればいいんじゃないでござるか?」

「……あ」


 そうか、その手があったか。


「さすがランラン丸!」

「いや、リクト殿、確か前回も同じ」

「ええいうるさい! ほら、そうと決まればいざ行くぞ!」


 そうして気合いを入れたところで、例のタコが現れる。


「リクト様!」


 マキがタコの出現に気付いて、声をあげる。


「プリィイイイ!」


 俺達の進路上に、巨大なタコ、ダイフクダコが現れた。


「ふふ、現れたなエロダコめ! 今度は脱がされはしないぞ!」

「プリィイイイ!」


 俺は巨大なタコと向かい合い、戦闘態勢に入る。


「よし、攻撃だ! ユミーリア、エリシリア! 物理攻撃は効かないから、ユミーリアは炎で……」


 俺はユミーリアとエリシリアに指示を出す……だが、船の上に二人は居ない。


「あれ?」

「リクト様! ユミーリア様達はマイホームで休憩中です、早くマイホームを!」


 しまった、そういえば二人は船酔いでダウンして、一時的に回復させてもすぐにまた酔うからマイホームの中にいるんだった。


「ま、マイホーム!」


 俺はマイホームを出す為に叫ぶ。


 しかし。


《マイホームは戦闘中には使用できません》


 俺にしか見えないメッセージが空中に現れた。


「う、嘘だろおおお!」


 タコの触手が、俺の足を絡め取る。


「あああああ!」


 俺は再び、触手に服を溶かされる事になる。


「や、やめろ! やめろおおお!」


 多数の触手が、俺の身体に絡み付いてきた。


「いやぁあああ!」



 巨大なタコは、絶壁のコート以外の俺の服を全て溶かすと、満足そうに海へと帰っていった。


「おにーちゃん、だいじょうぶ?」


 ショックで倒れこむ俺を、コルットが心配そうにのぞきこむ。


「コルット様、リクト様は私にお任せ下さい。そろそろ遊び疲れたのではありませんか? 船の中でお休みください」


「んー、わかった!」


 コルットはマキにそう言われ、トテトテと船の中に入っていった。


「さて、せっかくですからこのまま魔力供給をして頂きましょう」


 マキが俺にひっついてくる。


 やわらかくて暖かい。


 だが、前回ほどムラムラしてこない。


 神様に抜いておいてもらって助かった。


「んっ」


 とはいえ、マキのなまめかしい声が聞こえてくると、だんだん何かが湧き上がってくる。

 あんまり持ちそうにないかもしれない。



 色々とショックで放心した俺にマキが抱きついたまま、船は再び、ヒエコッチ島へと向かって行った。


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