第91話 凍る尻

 船上でマキにのしかかられる俺。


「ん……」


 しかし今の俺は、神様にムラムラを抜いてもらっているので大丈夫だ。


「んんっ」


 大丈夫。


「はふっ」


 だいじょう


「はぁん」


 ……。


「ご主人、様ぁ」


 大丈夫なわけあるかあああ!


「ええいっ!」

「きゃっ」


 俺は勢い良く起き上がる。


 いくら神様に抜いてもらったからって、こんなエロイ声を出すマキを前に冷静でいられるか!


「リクト様、もう終わりですか?」


 マキがなごり惜しそうに見てくる。


 これ以上は理性がもたない。


 俺は初めては、全ての戦いが終わった後にと決めているんだ。


 それまでにやってしまったら、きっとおぼれる。

 世界の平和なんてどうでもよくなって、おぼれる。

 おぼれる日々を過ごして、取り返しがつかなくなる、なんてのはゴメンだ。


 覚えてろマキめ、全部終わったら、必ず襲ってやるからなー!


 俺は残っていた理性のかけらで、マキから逃げた。


「あ、リクト様……残念」


 船上にひとり残されたマキが、舌で唇をなめた。



 俺はマイホームを出して、急いで部屋に戻る。


「え?」

「り、リクト?」


 マイホームの中で休んでいたユミーリアとエリシリアが俺の姿を見て驚く。


 しかし俺は気にせず、2階にある自分の部屋へと向かう。


「い、今リクト、裸じゃなかった?」

「そ、そう見えたが」


「……気にしないであげて欲しいでござるよー」



 俺は自室で着替えを済ませる。


 もう二度と、あのタコには会いたくない。

 男の服だけを溶かすとか、ほんとクソモンスターだった。


 着替えを済ませた俺が下におりると、ユミーリアとエリシリアの顔が赤かった。


「り、リクト、ランラン丸から聞いたよ、男の人の服を溶かすモンスターが出たって。大変だったね」


 ユミーリアがチラチラ俺を見てくる。


「な、なんというけしからんモンスターだ。うん、けしからん」


 エリシリアも顔が赤い。


「……忘れてくれ」


 俺はそう言うしかなかった。



 マイホームを出ると、マキが俺を待っていた。


「リクト様、先ほどはありがとうございました。この度の魔力供給で、多少はレベルアップできました」


 マキが頭を下げる。


 多少……か。

 まあ、それはそうか。


 マキは本来はその、いわゆるエロゲーらしい事をして、レベルアップしていく体質だ。


 それが抱き合って密着するだけだからな。

 本来よりレベルアップが遅いのはしょうがないのだろう。


「ところでリクト様、そろそろヒエコッチ島が見えてくる頃です」


 マキに言われて、俺は前方を見る。


 すると、氷の島が見えた。


 俺はお昼寝しているコルットを起こし、ユミーリア達をマイホームから出した。


「よし、ユミーリア、コルット、進路をふさいでいる氷を、炎で溶かすんだ!」

「うん!」

「わかったー!」


 ユミーリアが炎の剣で、コルットが炎の魔法で、氷を溶かしていく。


「微力ながら私も!」


 マキも炎の魔法で氷を溶かす。

 どうやら先ほどの密着のおかげで、前回よりレベルアップして、攻撃魔法が使える様になったみたいだ。


「ところでリクト、お前のその、お尻から出る炎では、氷は溶かせないのか?」


 手持ちぶさたになったエリシリアが、同じく見ているだけの俺に話しかけてくる。


「ああ、燃えるだけで飛んでいけと念じてもなんともならなかったな」

「……なんの為に燃えているんだ?」


 それは俺の方こそ知りたい。


 今の所、六魔将軍に攻撃が通じる様になる以外に、何の効果もなかった。


 そうこうしている内に、氷の大陸、ヒエコッチ島に到着した。


「みなさま、地面が全て氷になっています。くれぐれもご注意下さい」


 マキが注意喚起してくれる。


 コルットは楽しそうに滑っている。


 ユミーリアとエリシリアも、うまく歩いていた。


 俺はというと……


「天使のケツ!」


 俺は尻からピンク色の光の翼を出して、飛び上がる。


「どうしたリクト、急に羽なんか出して?」


 エリシリアが俺の行動に驚いていた。


「いや、氷で滑って転んで死ぬ夢を見たんだ。念の為、浮いておこうと思ってな」

「なるほど。さすがはリクト様です」


 マキが俺をほめてくれるが、みんなが慎重に歩く中、俺だけズルをしているみたいでちょっと申し訳なかった。


 とはいえ、みんなは俺と違って普通に歩いている様に見える。


「みんなよく普通に歩けるな、すごいよ」


 俺がそう言うと、エリシリアがエッヘンとドヤ顔で答える。


「歩き方にコツがあるのだ。慣れれば大した事ないぞ?」

「うん、最初は転びそうになったけど、慣れれば大丈夫だよ」


 ユミーリアもエリシリアもさすがだった。

 現代っ子の俺には真似できない芸当だ。


 マキも涼しい顔で歩いている。


 コルットは、むしろあえて滑って移動している。楽しそうだった。



 やがて、大陸の中心にそびえる、大きな氷の塊の前にたどり着いた。


 そこには火山にもあった、文字が刻まれた大きな岩があった。


 そして大きな氷の塊の中には、うっすらとだが、盾の様なものが見える。


「えっと、また私が岩に触れればいいのかな?」


 ユミーリアがこちらを見てくる。


「ああ、頼む」


 俺の言葉を受けて、ユミーリアが岩に触る。


 すると、文字が輝きだし、ボンッと煙が出る。


 そこから、ウサギの顔をした鳥が現れた。


「わしは初代勇者、シリモトじゃ! 勇者よ、よくぞ来た!」


 このぶきみなウサギの顔をした鳥の様なモンスターは、初代勇者の残留思念だ。


 これでも可愛いと思ってこの姿にしたらしい。

 まあ、俺以外には好評なんだけどさ。


「勇者よ! 恐らく伝説の勇者の装備を求めてここにきたのだろう。見るがよい! この永久氷壁の中に、勇者の盾が眠っておる!」


 やはりこの中にあるのは盾なのか。


 しかし、どうやって取り出すんだ?


「この永久氷壁を溶かすには、聖なる種火が必要じゃ! しかし聖なる種火はここより北にある氷柱のほこらの奥に隠されている! 勇者よ、まずは聖なる種火を「えいっ!」取って来るのじゃ……えい?」


 初代勇者の話の途中で、可愛い掛け声が聞こえた。


 初代勇者と、俺達はその声の主を見る。


 なんと、コルットが永久氷壁に向かって、パンチしていた。


「ハッハッハ、娘よ、無駄じゃ。いくら攻撃しても、永久氷壁は割れたり「えいっ!」せぬ……よ?」


 コルットが2発目のパンチを放つ。するとなんと、永久氷壁にヒビが入った。


「え? ば、馬鹿な!?」


 シリモトが驚愕していた。


 俺達も驚いていた。


 よく見ると、コルットの拳が燃えている。


「えへへー、ユミおねーちゃんのマネー」


 コルットが炎で燃える手でこちらに手を振ってくる。


 ユミーリアのマネ、というのは、炎の剣の事だろうか?


「あれは……コルット様は炎の魔法をご自身の拳にまとわせていますね。それも、ご自身の手は燃えない様に魔力を調節しながら……きっと独特の感覚で行っているのでしょう。恐ろしい方です」


 マキが汗をかきながら解説してくれる。


 さすがはコルット、天才だったか。


「これ、わって中のやつを取り出せばいいんだよね? わたしにまかせてー!」


 コルットが張り切って氷を炎の拳で殴る。


 永久氷壁のヒビはどんどん広がっていき、やがて氷が砕け散った。


「そ、そんな馬鹿なあああ!」


 シリモトが天をあおいだ。


「ち、チートじゃ! こんなんチートじゃ!」


 シリモトが泣いていた。


 なんか、火山でも同じ様な事を言っていた気がするな。


「はぁ……まあよい。ほれ、盾に触れるが良い。さすればお主に勇者の盾が与えられるじゃろう。じゃ、わしはもう消えるからな」


 シリモトはそう言うと、フッと消えていった。


 前回といい今回といい、必要なイベントをすっ飛ばしてるな、俺達。

 まあいいか。


「ユミーリア、そういうわけだからあの盾に触れてみてくれ」

「う、うん。いいのかなあ?」


 ユミーリアも、2回連続で不正をしたみたいになった事に、少し罪悪感を感じている様だ。


「こうなったら仕方ないだろう? もうあの初代勇者も消えちゃったしな」

「うーん、わかった」


 ユミーリアが渋々納得して、盾に触れる。


 すると盾から光があふれ、ユミーリアの左手に、伝説の勇者の盾が装備された。


「おお」

「おめでとうございます、ユミーリア様」


 エリシリアが驚き、マキがユミーリアを祝福する。


「おめでとー! ユミおねーちゃん!」

「うん、コルットも、ありがとう」


 ユミーリアがコルットの頭を撫でる。


 一方、俺はというと……


 また尻が光っていた。


「やはり、お前の尻は光るんだな」


 エリシリアが冷静に俺の尻を見ていた。


「みたいだな。今回はどうなる事やら……」


 前回の様に、尻が燃えてズボンも燃える、なんて事はカンベンしてほしい。予備のズボンがいくつあっても足りない。


 そんな風に考えていると、光はおさまり、俺の尻は……氷におおわれていた。


「……凍ったな」

「凍りましたね」

「凍ったね」

「わ! おにーちゃんのお尻、カチコチー!」


 コルットが俺の尻の氷をコンコンと叩く。


「それで? その凍った尻は、何が出来るんだ?」


 エリシリアが聞いてくる。


「……うん、何も起きないな」


 前回と同じく、俺の尻は、ただ凍っただけだった。


「ああもう! いったい何の意味があるんだよ! 誰か説明してくれ!」


 俺がそう叫ぶと、俺の目の前にメッセージが出てきた。


《炎の尻:尻が燃えている間、敵の魔力障壁を打ち消せる様になる。仲間全員にも発動可。炎は任意で消せる》

《氷の尻:尻が凍っている間、敵の魔法を防ぐバリアが全身に張られる。仲間全員にも発動可。氷は任意で消せる》


 お、おおう。

 なんだ、ちゃんと効果があったのか。


 俺はこの尻の効果をみんなに説明した。


「なるほど、ユミーリア様の伝説の勇者の装備と似た様な力を発揮するという事ですね」


 マキが納得した様にうなずいて、解説を始める。


「ユミーリア様のよろいはユミーリア様に相手の魔力障壁を打ち破る力を与えました。伝説が正しければ、盾は相手の魔法を防ぐ効果があり、かぶとは装備した者の素早さを上げると言われています。そして剣は、邪悪なる者に与えるダメージが倍増すると言われていますね」


 マキの解説を聞いて、みんなが俺の尻を見る。


「つまり、リクトは我々にも勇者の装備の力を与えられるわけか」


 エリシリアが尻を見つめてつぶやく。


「あれ? それって私の装備、意味なくない?」


 ユミーリアが首をかしげる。


 確かに、仲間全員に発動する事もできるんじゃ、伝説の勇者の装備っていったい……


「うん、気にするなユミーリア。似合ってるぞ」

「え? そ、そうかな?」


 ユミーリアは顔を赤くして自分のよろいや盾を見る。


「えへへ、リクトがそう言うなら、それでいいかな」


 うん、やっぱりユミーリアには笑顔が一番だ。



「あら? 少し到着が遅かったかしら?」


 後ろから、男の声が聞こえた。


 俺達は声の方を振り向く。


 そこには、馬の顔をした細身の、よろいを着た男が立っていた。


「貴様は!」


 マキが驚愕する。


 俺も、こいつには見覚えがある。


「お久しぶりですわお姫様。六魔将軍のひとり、ウマゴオリ。参上しましたー」


 そう、こいつは六魔将軍のひとり、氷の使い手でオカマの、ウマゴオリだ。

 口の周りにタップリ塗られた口紅が、気持ち悪い。


「まさか、貴様までこの世界に来るとは!」

「ほんとにねー。まさかここまでうまくいくなんて思ってなかったわー。これも、この世界の協力者たちのお・か・げ・ね」


 ウマゴオリがウインクする。気持ち悪い。


 しかし今、聞き捨てならない事があった。


「協力だと? どういう事だ?」


 俺がそう尋ねると、ウマゴオリがこちらを見る。


「うわ、何アンタ、ピンク色のコートとかマジキモーイ。しかもなんか、お尻凍ってるし、なんなのキモーイ!」


 ウマゴオリが身体をクネクネさせて気持ち悪がっている。


 クソ、なんでこんな気持ち悪いヤツに気持ち悪がられなきゃいけないんだよ!


「まあいいわ。改めて教えてあげる。姫様も、状況をちゃんとは理解していないでしょうしね。知って後悔し、絶望しなさい」


 ウマゴオリはそう言って、両手を広げる。


「この世界と魔界は、元々は繋がっていなかったの。でもある日、偶然小さな穴があいたの。これまた偶然その近くに居た魔族のひとりが、穴を通ってこの世界にきたわ。そしてこの世界の事を知ったの」


 それは、マキの出てくるゲーム、プリンセスメイドでも語られる話だった。


「そしてまた偶然! この世界と魔界を繋ぐ穴が出来たの。その魔族は魔界に帰ってきたわ。そしてこの世界の事をみんなに伝えたの。主に王族にね。お姫様はその話を、キラキラした目でいつも聞いていたわね」


 そう、マキはその魔族のおかげで、メイドという職業を知った。

 そしてメイドに憧れて、禁断の術を使って転生までして、この世界に来たのだ。


「その後お姫様は禁断の術で転生して居なくなっちゃったのよね? 王様は悲しんでいたわよ? でも、今はそれは関係ないわね。大事なのはその後。王様は新しい王様によって滅ぼされ、私達の新たな魔王様が誕生したわ!」


 マキがウマゴオリの言葉を聞いて拳を強くにぎった。


 俺はその手を、そっと撫でる。


「リクト様?」

「気にするな、今はそれより、あいつの話だ」


 俺の言葉に、マキがうなずいた。


「魔王様は魔界だけではなく、この世界も支配しようと仰った。でもいくら頑張っても、この世界と魔界を繋ぐ穴は大きくならなかった。しかしそんなある日、邪神の使徒と名乗る者が、魔界にやってきたのよ!」


 やはり、協力者とは邪神の使徒だったか。

 いったい誰だよ? オウガは倒したし、フィリスやゼノスは傷を負ったから動けないはずだぞ?


「そして私達は協力して、穴を広げたの。一度は大きく広がって、エンドラがこちらに来たはずだけど、あなた達の様子を見ると、倒されちゃったみたいね?」


「ああ、というかあいつは、勝手に自爆して死んだよ」


 自分の足元を自分のオノで破壊してマグマに落ちていったからな。なんともマヌケなヤツだった。


「あらそう。まあどうでもいいわ。エンドラちゃん、私達の中でも特に脳筋で使えなかったしね。それはともかく、私達は再び穴を広げる事に成功したわ。ほら、そろそろやってくるわよ?」


 ウマゴオリはそう言って、空を指差した。


 俺達は空を見上げた。


「あ、あれは、まさか!?」


 マキが驚愕していた。


 俺やユミーリア、エリシリアも驚いて声も出なかった。


「おっきーーーい!」


 コルットだけは手を広げてよろこんでいた。



 空には、巨大な黒い戦艦が浮いていた。


「まさか……アレの封印をといたのですか?」


 マキがウマゴオリをにらみつける。


「そのとおり。魔界に伝わる伝説の空飛ぶ船、暗黒戦艦ダークワルダーよ!」


 俺達の船、ピーチケッツ号の10倍は大きい戦艦だった。


「これから私達は準備を整えて、この世界を支配するわ。どう? 絶望してくれたかしら?」


「くっ!」


 マキが身体をふるわせる。



「でも、その前に……私があなた達を、ここで殺してあげる。覚悟なさい!」


 ウマゴオリはそう言って、ムチを取り出した。


「おーほっほっほ! さあ、私のムチで踊りなさい!」


 ウマゴオリがムチをふるう。


「マキさん!」


 ユミーリアがマキを、伝説の勇者の盾でかばう。


「ユミーリア様?」

「マキさん、大丈夫?」


 ユミーリアの背中を見て、マキが一度、下を向く。


 そして、顔をあげた。

 その表情には、すでに迷いはなかった。


「はい、大丈夫ですユミーリア様。ご心配をおかけしました」


 さすがはマキだ。立ち直りも早い。


 俺達も、負けてられないな。


「おい、ウマヤロウ!」


 マキの方を向いていたウマゴオリの動きが止まり、ゆっくりとこちらを振り返る。


「いま、なんて言ったのかしら? ウマヤロウって、聞こえた気がするけど?」


 ウマゴオリの顔は憎悪に満ちていた。


「ああ言ったぞウマヤロウ!」

「わたし、ウマヤロウって言われるのが……一番、気にいらねえんだよおおお!」


 ウマゴオリがこちらに向かって走ってくる。


 速い。


 だが、残念ながらユミーリアやエリシリア程ではない。


「炎の尻!」


 俺がそう叫ぶと、俺の尻が燃える。


「今だエリシリア! 本当のムチの使い方を、見せてやれ!」


 俺の叫びに、エリシリアが答える。


「ああ、任せろリクト!」


 エリシリアが光のムチをうならせる。


「無駄よ無駄! ただの人間の攻撃なんて、私の魔力障壁の前では無力なのよ!」


 ウマゴオリが笑う。


 だがそんな事は気にせず、エリシリアはウマゴオリに、ムチを叩きつける。


「がはあっ! ま、まさか、どうして? 普通の人間の攻撃が、わたしの魔力障壁を破るなんて!?」


 よし、どうやらうまくいったみたいだ。


「残念だったな、ウマヤロウ」


 ウマゴオリが、俺を激しくにらむ。



「俺のこの尻が燃えている限り、俺の仲間はお前達の魔力障壁を打ち破れるのさ!」



 俺は燃えている尻を見せつける。


 だが、なぜかエリシリアは目をそらし、ユミーリアは手で顔をおおって、指の隙間からチラチラ見ていた。


「リクト様、残念ですが早速ズボンが燃え尽きています」


 そうだった。


 俺が尻を燃やすと、ズボンも燃え尽きてしまうんだった。


「な、なによ! こんな、こんなふざけた連中に私が負けるというの!?」

「……ああ、そうだ」


 エリシリアが再び光のムチをうならせ、叩きつける。


「ぎやあああああ!」

「これが、本当のムチの使い方だ」


 エリシリアのムチさばきが華麗に決まり、ウマゴオリの身体が消えていく。


「い、嫌よ、これから……これからだっていうのに、こんな……ちくしょお、ちくしょおおお!」


 エリシリアの光のムチを食らって、ウマゴオリは消滅した。


 俺は戦いが終わった事を見届けて尻の炎を消した。



 氷の大陸の冷たい風が、俺のむき出しになった尻を、やさしく撫でた。


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