3時間目

午後の授業も無事に終わり、掃除時間になった。

私の班は4班で体育館掃除だ。

教室やトイレと比べれば、モップをかけるだけなので凄く楽だ。

同じ班の人は、1人だけ仲がいい子がいる。その他は他人同然だ。

クラスで唯一の友人である莉子りこは、すごく明るい子だ。

元気で明るくて活発。バレー部の次期キャプテンらしい。

莉子とはよく、恋バナというものをしている。

この子はとても女の子女の子していて、かわいいと思う。

私服はもっぱらスカート。私はパーカーにジャージだ。おっさん同然の私服である。

「つぼみーん!」

身長の高い彼女は、背の小さい私に多いかぶさるようにして寄りかかっている。

正直、きつい。

「莉子、ちょい離れて。重い。」

私がそう伝えた瞬間、莉子は飛び退くようにして私から離れて手を合わせまくっている。悪い子じゃない。凄くいい子だと思う。

私は、莉子に大丈夫。と一言伝え、掃除場所に向かった。


私達が体育館に入ると体育館には既に班員である男子ふたりがいて、掃除を始めていた。私の方を睨むように見て、それから2人で何やら遊び始めた。

やっぱり、中学生男子の気持ちは全く分からない。

まず、理解しようとも思わない。理解したところで何も起きないと思うし、理解するのが面倒くさい。

こういう時ふと、上田先輩が頭をよぎる。

先輩はいつも、何を考えているのだろう。

何が好きなんだろう。ゲームはするのか。

得意な科目はなんだろう。

そんなことをつい考えてしまう。

先輩は今、関係ないのに頭の中は上田先輩のことばかりで、気持ち悪いほど考えすぎてしまう。

好きで好きで。好きすぎて辛い。

これは多分、どこかで言っていた恋のこいのやまいというものだろう。

我ながら痛々しい考えだと思った。

中二だし、中二病にでもかかったのかも知れない。

自分で考えた癖にくだらなすぎて逆に笑いが止まらなくなってしまった。


もしかすると、このままずっと、片思いのままで終わってしまいそうだ。

唐突にそう感じてしまった。


笑いが治まった。


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