第11話 決戦、再び

バッと、誰かが倒れた声がした。


「ブリーズ、大丈夫かい?」


ブリーズを助けて来たのは、ゲールだ。

「まったく、薬も飲まない。家から出てちゃって。」


ゲールの後ろにいたのは、左足が藤に纏われ、倒れたハルズの姿だった。


「後のこと、任せてもいいか。」


「うん。」ブリーズは頷いた。


ゲールの足についたブリーズは、剣を振って鎖が断ち切られ、その後、強い風が漂って来た。


「これは。」ゲールは、体から溢れた力を感じ取って、驚いた。


ブリーズは剣を渡して、こう言った。「この剣で、ハルズさんの正気を取り戻そう。」


輝いた剣を受けたが、光が弱くなった。「ところで、この剣、重いんだな。なんだか、強そうだろう。」ゲールは言った。


ブリーズは首が振った。「うんん、とても軽いよ。」


「昔から、お前は。。。のやつだ。変な行動ばっかりしやがって、いつも妙な問題を口にして、でも、ありがとう、この戦い、おれは勝つ。そうな気がするんだ。」


「肉ダルマ、今度は負けないぞう。」ゲールは言った。


木の藤を断ち切り、再び臨戦態勢を整った。


ゲールの瞳が輝いているた。勝利への闘気、力が解放された従容の微笑みだった。


「来い!今回勝ちなのは、おれだ。」


キャリバーの所有者ではないから、剣に秘めた力を完全に発揮することができないが、鎖がブリーズに切られたから、体内に閉ざされた風属性がついに解放された。


後に迎うのは、互角の戦いであった。

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