第2話 聖剣祭


『狂風の闘技場』ーー昔から、王城の名勝として世界中に知られていた。

その中の対戦用円形フィールドは、巨大な岩石群に囲まれていた。煌びやかで、立派なもんだ。外見から見ると、みんなはきっとこう思うだろう。


数多くの剣闘士たちが、ここで、それぞれの戦い跡が残してくれた。

闘技場の中心に、一つの祭壇があった。そのてっぺんに、一本の剣ーーキャリバーCaliberが立っていた。それは勇者を選ぶ剣でもある。今まで、その剣を抜ける人はただ一人しかなかった。その名は、竜巻のハリ。エルフの中で、伝説の軍神と呼ばれたエルフおとこだった。みんなは、彼を記念するため、キャリバーの後ろにハリの石像を作った。


『聖剣祭』ーーこの国で月に一度開かれる祭典であり、この大会で、十連勝を獲った剣闘士は、キャリバーを挑むチャンスを与える。


「かつて、我々の英雄ハリ、この闘技場で、百勝の不敗神話を作った。」

司会は大声で、祭典の開幕を開いた。

「みんな、伝説に挑むか!」


「おおーーー!」観客席から、万雷の喝采が轟いた。


「今日、このフィールドに立つのは、疾風のゲル〜と烈風のハルズ〜。二人の出場に、多くの拍手をーー」


対戦の二人は、姿を現した。お互いに木製剣を握り、目を見つめ合っていた。


烈風のハルズは、成年エフルより二倍ぐらい大きい。しかも、全身の筋肉武装も、日々厳しい鍛錬を重ねた成果であろう。頑丈そうな彼と比べれば、疾風のゲルは、普通で弱そうに見えるだが。


「ハルズ選手は前回の聖剣祭で、九勝目を手に入れた。もし今回彼が勝ったら、キャリバーを抜く機会を彼に与える。ちなみに、ハルズ選手は軍神ハリの息子どよ。今回の見所として、ゲル選手は果たして、ハルズ選手の十連勝を止めるかどうか。」


観客席から、すでにハルズへの応援が聞こえた。

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