第20話イギリス本土撤退戦 中編

1945年 5月9日 1900


いつものように夕食をとるべく食堂に向かった私たちが見たものはいつもとは違った献立がテーブルに並べられていた。

「これ。どう見てもすき焼きやら天麩羅てんぷらだよね。イギリスでどないしてやったんや」

と隊長が言うと司令である水瀬大佐が言う。

「実はな。最後の晩餐ということもあるが陸軍、海軍の主計班の連中がイギリスにある食材で日本料理を作ってくれたんだ。まあ、開設当初から獅子奮迅の活躍をしてくれた君ら搭乗員の諸君たちにとおもってな」

「それはありがたいこっちゃで。その~司令。酒はどないなん」

「あるぜ。ただ、残念ながら清酒はだめだった。鹿児島の麦焼酎や米焼酎、芋焼酎とイギリスのとっときのエールにあとスコッチがあるが。あんたら搭乗員は飲んじゃあダメだぞ明日飛ばねばならんのだからな」

「さよか~。酒が飲めんのは寂しいなぁ。でも久々に紅茶ではない日本茶が飲めるから良しとするか。それが粉茶でもな」

と、隊長が言うと私も言う。

「そうですね。じつは私すき焼きとなるものを食うのこれが初めてなんですよ。実家じゃあ伯父貴たちは食っていましたが私はその給仕で私が食べる段には皆食い荒らされた残骸を食っていたりしてましたからね~。まあ、噂じゃあ私を女衒ぜげんを介して娼婦に売り飛ばそうとしていた叔父夫妻は米軍の猛爆で吹っ飛んだと聞きます。ざまみろですよ。これで天涯孤独となりましたがせいせいしましたよ。まあ、それはともかく食べましょ食べましょ」

という感じで私たちは食事と相成ったわけだ。まあ、そこに海軍航空隊の皆さんと同席ということになってね。で、隊長は高槻少尉と席を離れたようだしね。

で、私はダージリン達とお茶を飲みながら食事を楽しんでいたわね。

「明日は私たちも最後の出撃に参加致しますわよ」

とダージリン

「私たちも同様だよ。隊長はユキあんただよ。あんたの時に助けてもらった恩義もあるし女王陛下直々に彼女を守れと言われてしまってね」

とローズヒップが言うとダージリンも言う。

「まあ、私は代々貴族の家でしたがまさか私も「サー」の称号を得られるとは思いもしませんでしたわ。まあ、私の場合女性ですので「レディ」になるのですが。それとユキさんあなたと隊長さんの二人に対してですって。我が国を守り抜こうとした英雄に対してのせめてもの誠意ということなんでしょうがね・・・」

「そうですか。私はあの時のお茶会で現状を正直に答えただけだけど彼女もまた王者の義務を果たそうとしたわけか・・・。じゃあ私も明日の出撃に備えて早々とやすんでおきましょうかね~」

「そうね。ところでユキさんは百合園はご存知かしら」

「一応はね。訓練所でその手の付き合いもあったからね。もっとも同期だった彼女は英国の空に散華したけどね。ダージリンももしかしてソッチの趣味がお有りなのかしら」

「ええ。どちらがタチでネコなのかはいいですがね」

そんな感じで私は女性5人で乱交と相成ったりするわね~。そして夜も更けたころ

ダージリンたちは眠っているなか私は一人目が覚めてトイレに行った帰りにタバコを吸おうと食堂に行くとそこでは高槻と二人で仲睦まじくタバコを吸っていた隊長がいた。私は隅の方に座ってポケットからキャメルを一本取り出してもう片方のポケットからアメリカ製のジッポ使ってタバコに火をつけて一服やっていると神谷隊長が言ってきた。

「あんたもええことやっていたようやな。ようやくバージン卒業かいな」

「ん~。ちょっと違うかな。百合のまぐわいじゃあね~」

「なんや。レズってたんかいな。不毛やなぁ」

「でも、女学生やら訓練所で女性ばかりでしたからね~。で、操縦過程でいた同期だけどみんなイギリス上空で散ってしまいましたよ。坂上の奴はなんとか復帰して今はスワローD型で地上の戦車やらトラック狩りしているみたいだしね。で、隊長の方はいうまでもなさそうですね。どうでしたカモメの水兵さんのお味は」

「こいつは極上やったで。兵隊上がりの士官と聞いてなウチもそろそろ身を固めなアカンとおもってな。とりあえず内地に戻ったら籍を入れようと思うねん」

「そうですか。ですがまだ油断はできませんぜ。まあ、そのためには明日の出撃でなんとしても信濃にたどり着かないといけませんね。隊長のためにも」

「そうやな。しかし、あの高槻というやつには人にあらざるモノの加護があるみたいやな。うちにはそう思える。なんというか弓を持った複数の女性たちがウチラのことを祝福しているように思えてな」

「それはそれで目出度いとおもいますぜ」

と会話をしてると高槻という操縦士が入ってきていた。

「となりいいかな。おやキャメルかよかったら一本もらえるかね。俺は高槻というが明日は地上軍の侵攻を阻止攻撃した後に空母信濃に降りる予定だ。まあ、君たちを誘導する役目を持ってる。時間ギリギリまで待つのでな。必ず来いよ。一応、君たちの電波誘導装置とこちらの装置と連動しているから俺たちは電波をだすからそれに従ってついてきて欲しい。そうそう晴子。君の提案にわしは乗るぞい。こんなおっさんに惚れるなんざ君も物好きだなぁ」

「よく言うよ。まあ、あんたのその男ぶりに惚れたんや。それにあんたの武勇伝聞いたらあんたを守るほうが生き延びれると思うただけや。で、一服したらまたどうや」

「いいね~。晴子君も好きだね~」

「なんせ。これだけのイチモツや。ウチも今まで何人もの男根を咥えたり入れたりしたけれどこれほどのイチモツはなかったで多分8寸はあるんやないか。これでどれほどの女子をなかせたんや~。でもこれからはウチのものやで~」

「そうかい。じゃあ今夜は孕ませるつもりでやったるぞ~」

「きゃ~。嬉しい~」

そんな感じで再び男女の交合がおこなわれていたようだった。で、ふと周りをみるとあちこちの草むらで喘ぎ声が聞こえているしね~。まあ、これが最後の逢瀬と思えばかもね~。

と私がタバコを吸っているとダージリンたちが探しに来ていた。

「お姉さまったら~。姿が見えなかったので心配なさりましたよ」

「まあ、ちょっと花摘みと一服やっていたのだけどダージリンもやるかい。キャメルだけど」

「まあ。いただくわ」

という感じで私たちも喫煙所でタバコを楽しんでそして寝床へとはいったわね。

そしてイギリス最後の出撃の朝がやってきた

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