第9話天使隊改めケルビム隊の初任務が始まる
1944年 4月
大日本帝国陸軍航空隊に所属していた我々天使隊であったが先日の空輸任務中の襲撃により部隊は事実上の壊滅状態となり作戦続行不可能という状況に陥った。
そこで、欧州派遣司令部は天使隊以下空輸部隊をRAFの指揮下に編入させるという決定を下し、我々天使隊はRAFに編入されケルビム隊と名を改められ補充のパイロットもやってきた。
私はそれに伴って少尉に昇進となったわね。まあ、イギリス空軍というのは下士官の飛行機乗りはいるがそれは重爆の搭乗員だったりしてパイロットは事実上士官のみという状況であったので下士官だった私たちは自動的に戦時昇進ということでイギリス空軍少尉という階級を与えられたわけよ。まあ、事実上義勇兵扱いになるかな。
で、空輸任務もあるけれどそれは第3、第4小隊がメインに行うことになり私たちは
イギリス本土へと襲ってくる敵機の迎撃任務に回されることになったわね。
で、私の愛機はイギリスで作られたスワローC型に夜間戦闘用にレーダーポッドを搭載したタイプが受領されたわね。隊長たちも同じタイプが受領されたよ。
そして1944年4月にドイツ、アメリカ連合軍はイギリスを再び屈服させるべくB17、B24に加えて新型爆撃機B29を投入しその護衛に新型のP51マスタングという戦爆連合約500機がイギリス本土に複数箇所同時に来襲してきた。
で、私たちも基地で待機中に空軍の防空指揮所からの迎撃警報を受けて直ちに待機所から基地のエプロンへと移動し大急ぎで事前点検をして整備兵に手伝ってもらいながらパラシュートや座席ベルトの固定を行い機体のエンジンを始動させて緊急発進の手順通りに行い。そして即座に車輪止めを外すように整備兵に指示し小隊長を先頭に私も左後方に機を移動させスロットルを全開にして即座に離陸していた。
そして隊内無線が入る
「小隊長や。皆いるか」
「「「はい。全員います」」」
「おっしゃ。それじゃあ。あんたらの無線はすべて受信にしておくんやで」
そして迎撃管制本部から通信が入る。
「ケルビム隊はエンジェル35で待機せよ」
という通信が入り私たちは直ちに高度35000フィートの上空へと上がっていた。
ちなみに35000フィートというとメートル換算で概ね高度一万以上の上空となるわね。
規定通り高度15000フィートを超えたところで酸素マスクを装備しボンベのコックを開いて酸素の供給を確かめ、問題ないことを確認し電熱服のソケットにプラグを差込み通電を確認する。これですくなくても凍死することはなくなったわね。
まあ、手袋や帽子の裏地にはうさぎの毛皮が貼ってある冬用とはいえさすがに高度10000まで上がると気温は零下60度近くまでさがるからね~。
高度10000で待機すること5分私は高度9000で巡航する銀色の重爆撃機を発見し、私は隊内無線の送信スイッチを押し敵発見の旨を隊長に伝え。照準器のスイッチを入れる。そして機銃もすべて装填済みを確認し各種火器の安全装置も解除していた。
そして隊長が増槽を落としたのと同時に私たちも増槽を落として敵に向かって襲いかかる。
そして隊内無線が入り隊長がロケット弾を一斉斉射後各自迎撃を行え。その後分隊で敵機に当たれ。10分後に再集合という指令であった。
で、私は2番機だったので4番機を率いて敵編隊梯団の前方を狙ってロケット弾を斉射し10機以上を撃墜し3機撃破に成功した。4番機の方もロケット弾攻撃で大損害をあたえていたようだった。
そして私たちは8900で反転し高度11000まで上昇し、再びダイブし敵重爆撃機を襲おうとしたが敵護衛戦闘機がちょっかいをかけてきたので私たちはそれを相手することになる。
そして10分後・・・
隊内無線が入り状況を聞いてきたので私たちは2機とも飛んでいるが4番機の菊地から先ほどの空戦で燃料タンクとラジエターを打ち抜かれたという報告を聞いて隊長は
同じ状況になっている3番機と4番機を基地に引き上げさせた。
「ケルビム2あんたは大丈夫か」
「私は無事です。燃料は全速で30分ですね。残弾は300あるかどうかですが」
「なら十分や。いくで」
「はい」
そして私たちは追撃するも敵護衛戦闘機との戦闘をして敵P51を3機やっていた隊長も4機ほど落としていたが・・・
「こっちも残弾30を切りましたもはや戦闘は無理です。燃料も非常用いれて15分です頃合です引き上げましょう」
と、私が無線で言うと隊長も・・・
「そうやな。引き上げるで」
そして管制本部に燃料残りわずか基地に引き上げると伝え我々は基地へと引き上げた
まあ、基地も少なからず被害を被っていたようだ。
そして飛行場管制からA滑走路、B滑走路が使用不可能な状態であり、C滑走路から方位270から90に向けて降りろという指示がきたのでそのとおりに2機同時に着陸していた。そして滑走路を走行中に燃料切れでエンジンが止まったので滑走路脇に
機体を止めていた。そして地上の整備班やら救助班のれんちゅうが駆けつけていたが
私たちは無事だったけど機体の燃料がなくなって動かなくなったのをみて整備班の連中が牽引車をつないでハンガーへと機体を運んでいた。
で、私たちは引き上げる救助チームのトラックに便乗してピストへと向かい今回の迎撃任務の成果を報告した。
「今回の成果ですが1番機敵重爆撃機6機撃墜。戦闘機4機撃墜確実2機不確実。2番機は重爆撃機10機撃墜確実戦闘機3機撃墜確実、3番機は重爆撃機4機撃墜、4番機は重爆撃機5機撃墜であります」
そして司令の水瀬中佐はいう。
「ご苦労だった。とりあえず次の出撃もあるだろうから休めるうちに休んでおけ。飯は食堂にあるからな。で、向井と菊地も無事だ。御苦労」
そして私たちは24時間開設している食堂でしょくじをしていた。まあ、これが第二次バトルオブブリテンの序章で戦局はますますひどくなるとはこの時は知らなかったけどね・・・。
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