イギリス本土防空戦 

第6話 嵐の前の静けさ

44年2月 イギリス

 私は瑞雲 ユキ階級は曹長に出世した。なんでも1月で規定年数になったということで昇進したそうだ。戦時下と航空兵とくに戦闘機乗りの昇進はかなり早いということなんだろう。

天使隊の活動も順調だけど最近輸送中に偵察任務に来る敵のP51となる戦闘機と交戦することが多くなってきた。どうやらグリフォンエンジン搭載のスピットファイアで互角。私たちの3式もほぼ互角というとんでもない飛行機をアメリカはドイツに貸与したようだ。

まあ、私たちも空輸中に襲われたりして交戦することもあったけれどなんとか戦力の拡充を図っているところだ。

で、イギリス空軍で改修された川崎 三式戦闘機「飛燕」丙型。イギリス名スワローC型は重爆撃機迎撃用として20ミリ機銃6丁、12連装空対空ロケット弾2基搭載した重武装型とも言えるタイプでエンジはロールスロイスマーリン1600馬力搭載されているわね。ただ、問題は燃料消費量がその分ふえて航続距離は1100キロ前後まで落ちちゃったのと速度が若干落ちたところかな。ただ、2段4速機械式過給器と排気式過給器、亜酸化窒素注入により上昇力と実用限度高度が12500までというある意味高高度迎撃機に生まれ変わったわけね。

私も輸送した時に今までの川崎 三式戦闘機「飛燕」とは比べ物にならない機体だということを確信したわね。



そしてその頃からアメリカが新型爆撃機の開発に成功し日本本国上空でも九州あたりで偵察のためか単騎で飛来するようになったという情報が入ってきていた。

まあ、本国の方は高高度専用迎撃機があるのかどうなのかわからないけどね。

で、イギリス空軍でも敵重爆撃機が高度10000を悠々と飛来しスピットやスワローの迎撃に出ても猛烈な弾幕に苦戦しているとう情報がはいっているようだ。

まあ、これはいよいよイギリスでも戦いになるのかもね・・・。


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