第4話 天使隊イギリスに行く 中編

西暦1943年 4月30日 空母白鷹にて


4月10日に私たちは空母白鷹に便乗しそこで空中哨戒任務をかねた訓練飛行に励んでいたわね。なんというか戦局は一進一退の攻防状態でありマーシャルを取られたそうだが豪州~本土航路や南方航路の被害数はほとんどないようだ。なんでも南シナ海からインド洋、太平洋に向かう海峡に機雷をばら撒いたおかげで敵潜水艦が侵入できないそうだ。おまけに護送船団やタンカー改造型空母の配備により対潜哨戒が強化され商船の被害もゼロに近づいているようだ。

私たちはすでにマラッカ海峡を超えベンガル湾に入ったところね。まあ、毎日哨戒飛行を行っているけれどそれでもベンガル湾に入ってから敵の潜水艦を何隻か発見し攻撃するも撃沈未確認だったりしていたわね。で、翌日から低気圧が近づいているとのことで哨戒飛行は中止になったけれど甲板上につなぎ止めいる飛行機の固定を更に強化して嵐に備える作業をしていたわね。

で、その日の夜から嵐で私もそうだけど洗面器やらバケツが手放せなくなったわね。


5月10日空母白鷹


10日近く低気圧の中を航行したけれど船はインド南端を周りいよいよ敵もうようよいるアラビア海に入ったわね。

で、今日も哨戒飛行をしていたが敵重爆撃機の編隊を発見し船団が見つかると厄介なので撃墜命令が下った。

で、私は思いがけない初陣となったわね。で、結果だけど私は初陣ゆえにというか敵を一機落としたのは良かったけれど弾を撃ちきってしまっていたのよ。

それも初弾を装填するのを忘れて慌てて入れたときには距離50前後まで近づいていて無我夢中で撃ったら当たったというオチだったのよ。

「黒天使。初陣にしちゃあ上出来。戦果はどうや」

と隊長からの無線機が入る。そして結果は「吹雪1機撃墜」「桜撃墜1」「黒天使撃墜1です」

「そうか敵さんも偵察にしては編隊を組んでるのは妙やな。まあ、うちは2機撃墜や。燃料も弾薬も少ないから引き上げるで~」

「「「了解」」」という感じで私の初陣はそんな感じでしたね。

まあ、敵味方の制空権が確立されていない海域でしたね。


5月15日 アラビア海上空

そして数日後の哨戒飛行中に私たちは高度5000を哨戒飛行していると敵戦闘機部隊を見つけたね。

「黒天使より酒へ。11時の方向に敵戦闘機数8機発見しました」

「そうか。ようやった。断雲を利用して殺るで。例のとおりヤリ逃げや。深追いはするな。皆受信にしておけ」

そして増槽を落として空戦にもつれ込む私たちそして敵も気づいたときにはすでに私たちは射撃しており4機がすでに火を吹いて落ちていた残りも襲いかかってきたのでもつれ合いの乱戦となり。私は分隊長の挙動に付いて行くのがやっとの状況であったが、どうにか生き延びることができた。

まあ、敵も1機だけで引き上げていったので深追いはしなかったけれどね。

そして翌日には英軍の制空権内に逃げ込めた。どうやら敵もアメリカから空母を貸与されイランあたりに輸送する腹なのかもね。そして船団内のタンカー14隻と海防艦10隻はホルムズ海峡を抜けるべく分離し我々はアレクサンドリアへと向かうことになった。アラビア海に展開していた海軍の空母機動部隊に航空機を補給したため格納庫に収まることになったけれどね。まあ、そこで徹底的な整備が行われたそうだが・・・。

そして紅海では英軍と共同で哨戒任務につくことになったわね。そして私たちはアレクサンドリアまで敵に合うこともなく無事に到着することができた。


5月21日 アレクサンドリアにて

そしてアレクサンドリアに入港前に私たちは空母から飛び立ちアレクサンドリア近郊の飛行場へと降り立った。1月近く船に揺られていたけれどやっぱり地に足がつく滑走路はイイね~。そして私たち一行は数日間休息しその後マルタ経由イギリスへの護送船団の空母に分乗することになったわね。まあ、そのときは知らなかったけれどイギリス本国でもハリケーンの後継機としてこの3式をライセンス生産するという話をちらりと聞いたわね。当然私たちは英語は確実にマスターしているけどね。まあ、私はそれ以外にイタリア語もある程度なら判るけどね。まあ、飛行学生の時に英語はみっちりと教わったわね。あと第二言語としてイタリア語を習ったわね。まあ、ドイツ語は人が多すぎて無理だったという理由だけどね。


イギリスへの道のりはまだまだのようね。

そしてイギリス海軍の正規空母ビクトリアスという空母に着艦しそこでも色々とあったけれどね。


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