第3話 天使隊イギリスに行く 前編

 天使隊に配属された私こと。瑞雲 ユキ伍長なんだけど。部隊のメンバーとの顔合わせで小隊長の神尾少尉 2番機の藤井軍曹 3番機の坂上軍曹、4番機が

私という編隊になったわね。ま。私が一番の新兵なんでそうなるわけだけどね。

そして4機が私たちが配属してるの小隊に整備班40名と中隊長の水瀬少佐たちの編成となるわけだ。

で、肝心の機材となると今までの100式戦ではなく新型の川崎 三式戦闘機「飛燕」という水冷の戦闘機だそうだ。

私たちが格納庫に案内されてみたときには美しいフォルムに惚れ惚れとしたね。


「どう。この機体のフォルムは美しいだろ。こいつは早いぞ。おまけに頑丈だ少なくても急降下で時速1000キロまでは大丈夫だ。それ以上は危険なので

やるなよ。私が整備班長の真田少尉だ。まあ、階級はどうでもいい。どうせここは寄せ集めの機材輸送だからな。何か質問はあるか」

班長の問いに私は尋ねる。

「これの輸送は飛ばしてイギリスに運ぶのでしょうかそれとも空母に積み込むのでしょうか。見たところ着艦フックが見当たりませんが」

「こいつは格納式でフックがある。君たちはそれを使って移動中に完熟するように。とりあえず1個中隊分16機が完成の状態で残り60機は分解して輸送船に積み込んで運ぶことになる。他に質問は」

「こいつの武装とどれくらいの足があるのかな」

「こいつは甲型だから12.7粍機銃6丁、ロケット弾10発ないしは250キロ爆弾2発だな。速度は690キロ。航続距離だけど増槽なしで1450キロだな。増槽をつければ2600キロは行けるぞ。爆撃機の護衛だろうが迎撃も行ける。他にも現地改装可能なスペースがあるから色々と使えるな。あと、こいつの翼面荷重は100式の倍以上だから旋回性能は良くないので今までの取っ組み合いの空戦よりも一撃離脱の空戦の方がこいつの性能を引き出せるはずだ。

まあ、君たちの様子を見ると飛んでみたいという感じだな。いいだろうちょうど慣らし運転が終わった機体が4機あるから飛ばしてみるかね」


「「「「もちろんやらせてもらいます(で)」」」」


と、まあ4人同時に言ったりしていた。で、私は基本的に飛行前点検を済ませ燃料残量チェック、機銃、ピトー管チェックにタイヤ、各種補助翼のロックが外れているか確認し天蓋を開け、座席を合せて乗り込む。燃料コックの確認を済ませて整備兵にエンジン始動を言おうとすると班長が笑っていた。

「こいつはセルモーターが搭載されている。バッテリーの電圧が問題なければそのまま動かせる。まあ、もしも電気系に異常があれば申告してくれ」

「電圧問題なし。前はなれ。セルモーター始動」

そしてモーターが作動しペラが回ってエンジンが始動する。素早く動力系の計器のチェック。無線機のテスト照準器のチェックを行い問題がないことを確認し

「異常なし」と無線機と手信号で伝える。

「聞こえているで。今回の通話は相互通信やけど戦闘時にはウチ以外は空中電話はすべて受信だけにしておくんやで。送信するのは非常時だけやで」

「「「わかりました。了解であります」」」

という感じで飛行場から飛び立った私たちは4機で一個小隊の編隊を組み30分ほどの飛行を行っていた。

「それじゃあ基地に戻ろうか。ユキあんたから降りるんやで。機材壊すなよ」

「わかりました」

で、私は普通に綺麗な3点着陸を行い。機体を整備員の誘導に従ってエプロンへ回す。ふと見るとほかの人たちも当然のごとく着陸していたようだった。

そして私は定位置にきちんと止め。ブレーキを踏み電気系を切断し燃料コックを閉めてエンジンを止めて天蓋を開けて機体から降りた。

そして車輪止めをかけて整備員に問題がなかったことを伝えていた。

そして飛行が終わった後の打ち合わせで・・・

「さて、これで小隊が組まれたからにはそれぞれ無線コードを用意しないとダメやな」

「そうですね。どうします」

「そうやな。うちはサケでいいや」

「じゃあ私は吹雪で」

「なら私は桜にしよう」

「そう。それじゃあ私は黒天使で」

とまあ、そんな感じで隊長の無線符号が酒、2番機の藤井曹長が吹雪、3番機の坂上軍曹が桜、4番機の私が黒天使と決まった。以後無線ではこのコードで呼ばれることになるわけだ。

そして数日後横須賀上空でイギリスまで厄介になる空母白鷹(はくよう)に着艦したわね。まあ、そこは航空機輸送任務を兼ねていたので格納庫はぎっしりだそうで私達の機体は甲板上で野ざらしだそうで・・・。機体が錆びなければいいけれどね~。と、まあ少し不安を覚えつつもイギリスまでの航海が始まったね。


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