第2話 天使隊に配属となる

私は瑞雲 ユキ。まあ、いわゆる天涯孤独の19歳の女性よ。なんというか天涯孤独な女性が辿る道って大体。遊郭で娼婦になるか女工などで身を立てるしかない状況だったんだけど幸いというかあたしは頭と体の性能が良かったみたいで。陸軍が女子兵募集という張り紙を見て即座に徴兵事務所に志願届けを出したのよ。

まあ、養父母もあたしが目障りで女衒に売り飛ばそうとしていたそうで。私が家を出て軍の募集を受けると聞いた養父母は乗り気で承諾書に署名と印鑑を押して私につき出したね。

で、志願者は多数で競争倍率450倍の狭き門をクリアした私は広島で基礎的な訓練に励んだわけ。陸軍女子兵というが実際は通信や医療、主計、補給などの命に危険のない部署に男子をつけるのがもったいないという理由だそうだ。

ついでに若い士官たちの身の回りの世話をする従兵の要員も兼ねているとか。で、そのまま結婚すれば尚良しと思っていたのでしょうね~。


で、基礎訓練を終えた私は本来なら通信科を希望していたけれどどこをどう間違えたのか航空科に配属されちゃったのよ。そしてそこで訓練をしていた結果戦闘機乗りの

適正ありということで戦闘機の訓練をすることになったのよ。

始めは基本飛行から始まり、計器飛行、射撃、爆撃、特殊飛行とすべての飛行過程をクリアし私は福生の飛行隊に配属された。

まあ、そこではイギリスを支援するべく新たな飛行隊が編成されており私もピストに行きそこで申告したのよ。

「瑞雲 ユキ伍長 本日を持って福生飛行隊に配属されました」

「ご苦労。私が水瀬 暁子少佐である。休め。で、君は女子航空輸送中隊 天使小隊に配属となる。おそらく機材輸送任務と聞いて嫌がるだろうが機材輸送なら命の危険も少ないということだそうだ。君は確か空母への着艦の経験はあるかね」

「はい。一応。練習空母である鳳翔、龍驤でマスターはしましたがもしかして海軍機の輸送もあるのでありますか」

「うむ。我々の使用する機材の大半は陸軍、海軍共通の機体が大半なのだがな。1月後にイギリスへ進出する。それまでに空母への着艦を確実にマスターするため我々は

横須賀に移動する。出発は明後日だ。以上」

そんな感じで私は配属となったわけだけどいきなり空母に着艦とか言われてもね~。

まあ、今の陸軍航空隊で空母着艦できない奴は新兵ぐらいだから別に私も大丈夫問えば大丈夫だけど少々不安だよ。先行きがね


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