第3章 (1)~(4) 仲間集めだ! 俺たちの仲間(となる者たち?)を探せ!
第3章は、結構ボリュームがありますので、三分割してお届けいたします。
本章は、いわゆる”パーティーの仲間集め”の章ですね。
そのパーティーの名は、本章の最終エピソードのサブタイトルともなっている「希望の光を運ぶ者たち」。彼らがいったい、”どこ”に希望の光を”運ぶ”のかは、次章にて徐々に明らかとなっていきます。
アポストルの使いであるゲイブが持ってきた2回目のお手紙によって、(ヒーローなのに前章までそれほど目立ちはしなかった)ルーク、ディラン、トレヴァーの3人に物語の焦点が当たります。
ついにルーク、ディラン、トレヴァー、アダム、ヴィンセント、ダニエル、フレディの7人のヒーローたちの集結!
それと同時に、フランシス一味の魔導士たちや武闘派女性も、ヒーローたちの前に現れます。現れるというよりも、しばかれ、どつきまわされる一幕もあります。
そして、本章にはそこはかとなくボーイズラブの香りも漂っています。
―1― 物語はまだ続く
・ 前章でのアンバーの死。それは雪の大地に、慟哭を響かせたジョセフだけでなく、レイナも深い哀しみと苦しみの中へと突き落としていた。レイナとアンバーがともに過ごした時間は極めて短いものであった。だが、彼女にとってのアンバーは正義と優しさの象徴ともいえる存在となっていたのだ。
・ レイナ、ルーク、ディラン、トレヴァーの4人は、ジョセフに呼び出される。レイナはジョセフ王子とともに首都シャノンへと戻り王国の庇護の元へ、そしてルークたちは首都シャノンの兵として迎え入れることも考えているとジョセフは話す。けれども、その時また、アポストルからの使いの美少年・ゲイブが現れた。
・ やはりゲイブはまたしても、手紙をその小さな手に持っていた。2回目となる今回の手紙の内容を要約すると「ルーク、ディアン、トレヴァー、レイナの4人は、2人の男をたずねろ」と。サブタイトルにある通り、”物語はまだ続く”のだ。
―2― そして、物語は動き出す
・ サブタイトルどおり、”物語は動き出す”のか……? ごく普通の女子高生であったレイナは、なぜアポストルからの手紙に自分の名が書かれ、ルークたちに同行しろと指示されているのかと、当たり前だが困惑していた。
・ ”2人の男をたずねよ”と書かれていたが、その2人の男の名は「アダム・ポール・タウンゼント」と「ヴィンセント・マクシミリアン・スクリムジョー」。ジョセフとこの場に同席していた魔導士カールとダリオは、アダムの名前の方には聞き覚えがあった。どうやら、アダムとやらは高名な魔導士であるらしかった。けれども、彼はもうすでに80才を越えた老人であるとも……
・ ところかわり、フランシス一味のアジトである神人の船。フランシスが魔術によって、地上で動き出した物語のワンシーン(光に包まれゲイブ登場~アポストルからの2回目の手紙の内容~ゲイブが59年前に闇へと消えたはずの国の民であることも判明~ゲイブ消えてしまう)を覗き見していた。その傍らには、魔導士ヘレン(彼女は覗き見には気は進まなかったみたいであったが)がいた。
・ と、その時、オーガストがマリア王女の魂のひとかけら(人形の生首)を持って、部屋の中へと飛び込んでくる。消滅するはずだと思っていたマリア王女の魂は、オーガストの愛によって消滅はしなかったのだ。オーガストは「マリア王女を許してやってくれ」とフランシスに土下座する。フランシスは、オーガストの献身的な愛の願いを聞き入れることにした。
・ フランシス一味の1人である、やたら派手な服に身を包んだ15才の少年魔導士ネイサンが、飄々とフランシスたちのいる部屋に姿を現した。フランシスは、彼の常日頃からの勝手な行動(この時、オーガストを神人の船にまで瞬間移動で連れてきたことも含めて)を諌める。一応、仲間であり、また部下でもあるネイサンは、フランシスからみても結構な問題児であるらしい。
―3― ”船”はなかなか進まない
・ いよいよ出立の日。ジョセフ王子、カール、ダリオは首都シャノンへと戻るが、レイナ、ルーク、ディラン、トレヴァーは南へと下り、”リネットの町”へと向かう。出立直前、レイナはジョセフよりアンバーの遺品を渡される。フランシスとの戦いが終わった後、レイナがこの世界で生きていくのに困らぬように、アンバーは読み書きを教えるつもりでノートとペンを用意していたらしい。目を潤ませながら、彼女の遺品であり思いを受け取るレイナ。ちなみに、このノートと、そして”書き留める”という行為は、今後の本作で重大な意味を持つこととなる。
・ リネットの町へ着いたレイナたち4人。そこで意図せずとも”マリア王女”の絶世の美貌によって超目立ってしまうレイナ。地道な聞き込み調査の開始によって、2人の男のうちの1人「ヴィンセント・マクシミリアン・スクリムジョー」についての情報はなんとか掴むことができた。
・ ヴィンセントはこの界隈ではかなりの有名人であるらしかった。理由としては、長身で燃えるような赤毛の超絶美形&来る者拒まぬ、去る者追わずでかなり女癖が悪いとのこと……さらに、何もごともそつなくこなせ、まだ年若いはずなのに妙に人生を達観しているようにも見えるとの情報までをも手にすることができた。
・ 例えるなら、自分たちが乗った”船”は、漕ぎゆく先に濃い霧がかかっているかのようにもどかしく、確実に進んでいるという実感が湧かないものであった。そして、この時、食堂で話していたレイナたちのすぐ近くで、本章にてヒーローの1人として加わることになる”ダニ〇ル”が、重たい前髪で顔半分を隠しながら、レイナたちの話を盗み聞きしていた。
―4― 再会がもたらした確かな道標
・ 首都シャノンにいる魔導士コンビ、カールとダリオが久しぶりン登場。遅い昼飯を手にしている彼らは、「たった1人の娘を亡くしたアンバー父が臥せっていること」や、「アポストルからの2回目の手紙に”触れた”時に魔導士である自分たちへと伝わってきたこ思い」についてを話す。そして、彼らは首都より遥か北に位置する、レイナと3人の青年がいるはずのリネットの町の空へと思いをはせた。
・ リネットの町を歩くレイナ、ルーク、ディラン、トレヴァー。実はこの時、レイナ以外の3人はばっちり気づいていたのだが、”ダニ〇ル”に後をつけられていた。だが、上背はあるもひょろひょろした体格の”ダニ〇ル”は、挙動不審なだけでいかにもな危険人物には到底見えないため、余計な揉め事は起こさずにとスルーしてた模様。
・ そのまま歩みを進めるレイナたちの前より、何やら見覚えのある少女が歩いてくる。そう、あのデブラの町の宿で出会った少女・ジェニーであった。一応、ジェニーにも自分たちが探している2人の男を知らないかと聞くルークたち。なんと、探し人の1人である”アダム・ポール・タウンゼント”はジェニーの祖父であり、元魔導士であるとのことであった! ジェニーとの再会は、自分たちが乗っている船の”確かな道標”となったのだ。
・ 夜。ジェニーと同じ宿の同じ部屋に泊まるレイナ。当たり前のことではあるも、戸締りを厳重にして眠りにつく彼女たち。だが、レイナは異変を感じる。さらに、彼女は目撃する。閉めたはずの窓の鍵が内側より誰も手を触れてなどいないのに、ひとりでに開き始めている光景を。しかも、それだけではない。窓の外に大きな影が――明らかに男のものであり、この部屋に侵入しようとしている大きな影が映っていたのだ!
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