第14話戦乱の時代へ

東郷閣下が逝去され、明治の偉人たちが次々と冥界に旅立つようになった頃。時代は戦乱の世の中へと向かいつつあるようですね。新聞を見ても世界情勢は持てる国と持たざる国との間の軋轢や我が国も中国への侵攻を始めているとのこと。

これは再び大きな戦の嵐がくると見たほうがいいでしょうね。まあ、杞憂に住めば良方のですが残念ながらね・・・。


そして盧溝橋事件が勃発し日本は戦争という狂気へと舵を切ったようですね。そして海軍、陸軍でも軍部が暴走しはじめたようです。これは陛下が望んだ平和とはかけ離れた状況になりそうですね。


そして高野五十六が山本五十六と改姓したという話をきいたり、海軍でもドイツに続けという艦隊派の馬鹿どもが増えたとぼやいているようですね。

そして五十六さんとの面会で

「そうですか。貴方は航空の方に行くわけですか折角の出世のコースを曲げてまで」

「ああ。土佐が残してくれたノートを全て読んだ結果米国は艦隊決戦なんかでケリをつけるような国じゃあないということを確信した。太平洋上の島々を占領しそこに飛行場や補給拠点を多数作りながら我が本土を目指すとおもうぞ。そのためには我が方にも戦うためには飛行機が必要とおもってな。それで私が本腰を入れてやることにしたのだ。なに、遠回りかもしれんが必ずそうなるさ」

そしてあの人は霞ヶ浦の方で効率的な飛行機乗りの育成にあたりましたね。

それでも、飛行機搭乗員というのは一朝一夕には育成できるものではなく、少数精鋭というのが一番ダメだということを当時は知る由もなかったですね。

搭乗員救助体制もなく不時着水やエンジントラブルで落下傘降下、などをしても救助されずにお陀仏が多かったとききますね。で、皮肉なのですが米軍は一人でも多くの搭乗員を助けるべく潜水艦や飛行艇、魚雷艇で救助していたそうですが・・・。

もっとも、それは将兵にも言えることになりますね。

ほかにも船の応急処置専門の人材がいないだの陸戦隊や補給、通信がおざなりになっている点も指摘していたのですが、あの宮様が全てを台無しにしていると嘆いていました。


そして海軍でも空母鳳翔を先駆けとした空母機動部隊ができ、赤城、加賀、龍驤が艦隊を組んでいたりしましたね。そして上海で邦人保護を名目とした事変がぼっぱつしましたね。

そして海軍にも出撃命令が下り、鳳翔、加賀がその事変に参戦し加賀の飛行隊の大半を喪失するという被害を受けたと加賀は言ってました。

私はどうしようもできませんがそれでも無事でなによりということくらいが精々でした。時代の戦闘は私たちとは全く違った物になったようです。


私はそれを見届けようとおもいますね。



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