第12話釘宮又三郎議員となる人物と会談する
ワシントン軍縮条約により日英同盟が廃棄され、主力艦の建造が制限された上に補助艦艇の制限としてロンドン条約という条約によって英米の7割の船しか持てないという条件にされたようね。で、陛下の代参である政府がその条件を飲んだにも関わらず老害と化した東郷某と腰巾着の伏見宮率いる艦隊派の連中は反対しているようね。
で、軍縮をいう議員の中でも過激な事を言う議員さんだったわね。
新聞記事では彼について賛否両論という感じだったわね。で、扶桑たちは
「姉さまおはようございます。本日の食材をお届けにあがりました。ああ。釘宮先生の記事が今日も書かれておりますね。私たちを廃艦にしてその資材で多数の護衛艦艇や小型水雷艇を建造すればいいとか主張しているようですね。あの人に会えるならこの手で天誅を加えてやりたいですよ」
と扶桑の主張に私は一言いう。
「そう。でも我々は生きるものに手を出すのは御法度ですよ」
「わかっています。それ故に歯噛みをしているのです。それに我々をあの人が見れたり感じることなんか無理でしょうからね・・・。ある意味不幸ですわ~」
と扶桑。
「扶桑姉さまお労しや・・・」
「山城」
と、まあ扶桑姉妹の百合をみせつけられたりするわね。で、私は一言
「百合のまぐわいもいいけれど仕事はしっかりしなさいよ」
「もちろんですわ。ですが、海軍休日とやらで予算もないといわれて満足に出港すらない状況ではね。たしかに穀潰しと言われても文句は言えない状況にあの釘宮某先生も業を煮やしたのかもしれませんね」
と山城は冷静に今の状況を察知していたりするわね。なんというかこの冷静な判断は私の教育の賜物とはいえ少し恐ろしくも感じているわね。
そんな会話があってしばらくして私は横須賀港の岸壁で釘宮議員と面談する機会にめぐまれたわね。まあ、その邂逅も本当に奇跡とも言えるわね。あの人が我らを認識することが出来て横須賀で講演後汽車の時間調整で岸壁で休んでいたのだからね。
そしてそこで四半刻前後の会談だったけれど彼が何故海軍のやり方に猛反発していた理由を知ってなっとくしたわね。まあ、残念ながらあの人の予知夢は最悪な形で実現することになってしまうけれどね。
そして軍令部総長となった宮様ともはや老害となった東郷閣下いやもはや老害のゴミ野郎と改めたほうがいいかもしれませんね。あのふたりによってこの国はいづれ滅ぼされると思うとね~。人間に干渉ならずという掟が恨めしく思ったりする日々だったわね。
まあ、扶桑も私たちの会談を聞いていたようで新聞を読んでもあの人の真の意味を知る者は誰もいないのが恨めしいとか言うようになったわね~。
そして時代は戦乱へと進んでいくわね。
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