第10話三笠もとうとう退役を迎える
第一次世界大戦後日本などの列強国家たちは戦艦を増やす大軍備拡張が行われたわね。まあ、私はその頃にはドレッドノートという船が出来て以来即座に旧型となりましたからね。
そしてアメリカなどが軍拡に歯止めをかけるべく軍事条約をおこなったわね。
その結果日英同盟が解消となり私も退役がきまったわね。
まあ、88艦隊がお釈迦になった以上私のような旧型はお払い箱ということになるわね。
まあ、その後関東大震災のときには横須賀に停泊中、津波に襲われて岸壁に叩きつけられて損傷した以上直して戦力かするよりも廃艦としたほうが早いとみたんでしょうね。
そして天城も船台から落下して致命的な損傷を受けたようね。その後の私は退役の日まで心静かにまってましたね。
で、退役式典前日に米内という士官がやってきたわ。
「三笠さんよ。いよいよ退役だな。その、なんだ戦で散ることはなく天寿を全う出来そうで良かったというべきなのかね」
「そうかもしれません。米内さんも娘達と関係を持っているそうですね。いえ。それが悪いとは言いません貴方も殿方である以上若い娘に惹かれるのは仕方がないところです」
「そうだな。ところでどうも最近元帥閣下と宮様たちがのさばりだしたというべきなのか老害化しつつあるように見受けられる。いがいと彼らが我が国を破滅へと導くのかもやしれぬがな。まあ、まだどうなるかわからんというのが本音だがな」
米内の言葉に私も答える
「そうですね。もしかしたら私はとんでもない過ちを犯したのかもしれません。じつはあの件でネルソン提督のように死なせてやった、いえ死なせたほうが国のためかもと内心おもっていたのです。まあ、杞憂ですめばいいのですが・・・」
「そうだな。とりあえず無事退役が決まってよかったな」
「ありがとうございます」
そして私は退役したわね。そして海軍籍から除籍され解体ないしは実弾演習の標的として天寿を全うすると思いきや世論がそれをみとめてくれなかったようね。
世論からは私は日本の英雄なので解体するのは忍びないという論調だったわね。それで私は記念艦として横須賀港に保存されることが決定したわね。
で、保存艦となると決まった私は横須賀郊外に小さな一軒家を買ってそこで日々晴耕雨読の生活を送ろうとおもったわね。
そして退役した私は私の弟子たちである長門たちを集めてこう言ったわ。
「長門、陸奥。扶桑、山城、伊勢、日向。貴方方にこれからの海軍の運営を全て任せます。私は完全に表舞台から去ることにします。神様元帥のような醜態は晒したくはありませんので。それに長門。あなたは十分私無しでもやっていけるだけの実力をもっているので自信をもちなさい」
長門は言う。
「わかりました。謹んでお受けします。ですが、三笠姉さま我々で全て行いますがそれでも行き詰まることもあります。そのための助言を受けに参ってもよろしいでしょうか相談役として関わることはできますでしょうか」
それを聞いた私は言う。
「そうね。相談したいことがあれば貴方方が私のところに来なさい。そうしてもらえるかしら。固定されてあまり自由には動けなくなりますのでね」
「わかりました」
そして私は退役し以後記念艦として日本海軍の発展と凋落を見届けることになったわね
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