第2話 クロスロード作戦前夜 後編
マーシャル諸島にたどり着いた私たちはアメリカの艦艇たちやドイツなどの船と会ってみたのだけど。なんというか宴が開かれているけれど宴の質が妙なことに気がついたの。
まるでこれが最後の宴とばかりに飲み食いする駆逐艦たちのようすをみてね。
で、長門さんはこの作戦のトップであるネバタさんのところに来て挨拶してたみたいね。
その様子を見ていたんだけど・・・
「長門、酒匂。以下二名。ただいまマーシャル諸島に到着しました」
「うむ。ご苦労。作戦は明朝から始まる・・・その今夜は最後の食事となるだろう。大いに飲み食いして英気を養ってくれ」
という話を聞いて私は悟ったの。ようするに私たちを処刑するつもりだとね・・・。
「長門さん。明朝に私たち殺されるんだね。で、今まで黙っていたのは私のためなの」
と、私が尋ねると長門は言う。
「そうだ。お前のような幼い娘に真実を教えてなんになる。だが、どうして悟った」
「わたしも姉さん達をみていたからあの姉さん達の最後の出撃のときの騒ぎと同じような騒ぎ方だったからね・・・」
「そうか。隠しだてしていてすまない」
「いいのよ。長門さんは私のためを思っていろいろとしてくれたんだよね。感謝するの」
「そう言ってくれると助かる。で、だ。せめてこちらの食事を楽しもうではないか」
「そうだね」
そんなわけでアメリカの補給艦娘さんたちからバーベキューやらステーキと言う肉料理をいっぱいご馳走になったの。
私が驚いたのは2ポンド約一キロ前後だそうけれどTボーンステーキとなるものをぺろりと平らげるのをみて驚いたね。まあ、あんなのいつも食べている国相手じゃあ勝てるわけもないかと内心思ったりだね。
で、長門姉さんたちはネバタたちと転送したみたいだけど。多分あの人たちも最後に女になりたいということで私たちが見える殿方のもとに行ったのだろうね。長門姉さんも粋なことをするね~」
で、アメリカの駆逐艦たちからいろいろとチョコレートだのアイスクリームをもらったんだけど酒匂も巡洋艦なんだけど。と言ったらそうは見えなかったと言われてちょっとショックだったよ。
そしてよが明けて運命の日がきたわね。
そして私は強烈な光をみてそれ以後は何もわからなくなっていたわね・・・。
そして舞台は三笠の自宅に戻る。
「そして実験が行われた夜南方から一筋の流れ星が落ちたのを見ました。それをみて酒匂か長門が散ったということを悟りました。ですが、、いえ。これは違うわね。鳳翔や葛城も任務を果たしたあと日本の復興のために鋼材となりましたが。せめて葛城はタンカーや貨物船として活躍させてやりたかったですよ・・・」
其れを聞いたあたごは
「そうでしたか。そういえば郵船のほうで葛城というコンテナ専用の貨物船が加賀と同じ航路をはしっているそうです。そして酒匂さんは未だ転生ならずですか・・・」
「そうね。ところであたごさん珈琲を一杯もらえませんかね。久々に話詰めて少々疲れました。台所に極上のモカマタリがありますのでお願いできるかしら」
「ええ。いいですよ」
と言いながら鼻歌交じりに台所に向かうあたご。その様子を見て三笠は言う。
「加賀もコンテナ船と今錬成中のヘリ空母になり赤城は日の本の海を守る警官に、飛龍は消防士に蒼龍は海の忍者とも言える潜水艦ですか・・・。土佐も警官となりもうひとつの分身が加賀と同じ船会社の大型タンカーとなりました。長門。あなたはおそらく永久欠番でしょうが大和たちとあの世で見ていてくださいませ」
と一枚の写真立てにつぶやく三笠であった。
「お待たせしました。コーヒーです」
「ご苦労。あたごさん。そこの水屋の中に洋菓子がありますのでよければご一緒にどうかしら」
「ではご相伴に預からせてもらいますね~」
とまあ、そんな感じで平和な日本でお茶を楽しむ三笠たちであった。
(終劇)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます