たかこさんのヒーロー
「はい。今日はたかこさんにスピーチしてもらいます。テーマは私だけのヒーロー。よろしくお願いします!!」
先生が言いました。
「はい。私だけのヒーロー、それは、道路だなと思います。なぜなら、毎日物流を支えてくれているからです。終わります。」
たかこさんのスピーチが終わりました。
パチパチパチパチ〜
パチパチパチパチ〜
みんな拍手をしました。いい雰囲気ですね。おっと、たかしくんが手を上げました。
「道路はみんなのヒーローだ。みんなの物流を支えているから、あなただけのヒーローではない。たかこさんは嘘をついている。」
たかしくんは言いました。
「た、確かに。」
「そ、そうかもしれない....。」
「たかこさんは嘘つきだー!!」
「うーそつき!!うーそつき!!」
教室はあっという間に嘘つきコールに包まれました。
「うーそつき!!うーそつき!!」
「こら、、こっこら....。」
先生の静止も役に立ちません。ああ、たかこさんはもう目に涙を溜めています。
「うーそつき、うーそつき」
「うーそつき、うーそつき。」
「ちょっと待てよ!!みんな!!」
シュピーン!!
おっと、たかとくんが手を上げました。教室は静かになります。
「道路はそもそも人じゃないんだ。だからそもそもヒーローじゃない。誰のヒーローでもないんだ。」
「確かに....。」
「た、確かにー!!」
「じゃあ、たかしくんも嘘つきだー!!」
「たかしくん嘘つきだー!!」
「たかこさんも嘘をついてるけどたかしくんの方が後から嘘をついているから最新の嘘つきはたかしくんだー!!」
「うーそつきー!!うーそつきー!!」
クラスからの批判の声はたかこさんからたかしくんへと移りました。今ではたかこさんも元気にたかしくんを非難しています。たかこさんだけのヒーローは、たかとくんだ。
完
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