山羊のヤギ子ちゃんと国会
「なんなんだー!!そんなことに税金を使うなー!!国民から貰ったお金をなんだと思ってるんだー!!」
怒っています。野党議員が怒っています。どうやら与党議員の泉田たかし議員が税金の一万円札や、千円札などを、山羊の餌として使用していたということです。
「そのような事実はありましたが、無駄遣いではございません。お陰で山羊のヤギ子ちゃんは今も元気です。」
泉田たかし議員が答えます。堂々としています。
「どうして税金を使ったんだー!!黒ヤギさんからのお手紙を与えなかったんだー!!」
野党議員の追及は止まりません。厳しい、厳しい追及です。
「黒ヤギさんからのお手紙は入手困難でした。黒ヤギさんはなかなかお手紙を書いてはくれません。そんな屁理屈を言ってないでもっと重要なことについて議論させて下さい。」
「本当に山羊のヤギ子ちゃんは元気なのかー!!」
止まらない追及の声。
「元気ですよ。ここに、ほら。」
そういうと泉田たかし議員は台の下からヤギ子ちゃんを取り出しました。ヤギ子ちゃんは目をパチクリさせていて、かわいいです。元気そうです。
「元気だー!!ヤギ子ちゃんは元気だー!!」
「元気だー!!元気でかわいいーー!!」
与党側から歓声が上がります。
「く、くそう、、。」
野党、劣勢。ピンチです。
「ほらヤギ子ちゃん。一万円札だよ。」
ムシャムシャ、ムシャムシャ
ヤギ子ちゃんは美味しそうに食べています。顎が横にスライドしていて、可愛いです。
「く、くそぅ、、。ま、また、、。」
野党、ピンチ、ピンチ。
「う、うぐっ、、。」
ん、ヤギ子ちゃんが変な声を出しました。足をよろよろしています。
「ど、どうした!!どうしたヤギ子!!」
焦る泉田議員。
バタッ!!
「ああああ!!」
「おおあああ!!どうしたヤギ子ー!!」
倒れるヤギ子ちゃん。どうやらヤギ子ちゃんはお札を消化することができていなかったようです。ついに限界に達し、倒れてしまいました。
「ヤギ子ーーーーーーー!!!!」
泉田議員の絶叫。国会は悲しみに包まれ、鎮まってしまいました。しくしく、しくしく、すすり泣きの声があちこちから聞こえます。それは野党席からも。それに、山羊の死を政治利用するわけにもいきません。もう、八方塞がりの野党、、、。
「うぅ、ヤギ子、ヤギ子、、、、。」
その夜はヤギ子葬送パーティーが、税金を使って盛大に開催されたのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます