コンピュータ・Virus君

「おいみんな〜紹介するぞ。転校生のコンピュータ・Virus君だ。」


「Virus、こんにちは、初めまして。転校生のコンピュータ・Virus、と申します。Virus、よろしくお願いします。」


「みんな、仲良くしてあげてねー!!」


「はーーーーい!!」


(イケメンだ、イケメンだ、イケメンだ、イケメンだ、イケメンだ、イケメンだ、、、)


 クラスの女子たちの心の騒き、、、。


「はい、じゃあVirus君は、そうだね。あそこ、たかこさんの隣に座ってもらってもいいかな。」


「Virus、了解。」


「はい、じゃあたか子さんと仲良くしてね〜。」


「Virus、了解。」


 Virus君はそういうと、たか子さんの隣の席へ座りました。


 スタッ


「あ、よろしくね、Virusくん。」


「よろしく。俺はVirus。」


 きゅんっ


 なんだか、かっこいい。たか子さんはもうVirusくんの事を好きになってしまいました。


「たか子さんはなんか、ハードディスクに似ているね。」


 "えっ、、きゅんっ"


 たか子さんはVirus君との初めての会話にときめいてしまいました。


「ハードディスクっていうのは、データを保存するための装置なんだ。僕はVirus。ハードディスクに入り込み、データを破壊するのが得意なんだぜ。」


 饒舌に語り出すVirus君。


「えっ、えっち、Virus君のえっち!!」


 たか子さんはえっちな発言に怒ってしまいました。


「先生!!Virus君がえっちで〜す。」


 思わず、先生にチクりました。


「ん、Virus君はえっちなんだ。ところでVirus、ズボンを履きなさい。」


 先生は落ち着いた対応をします。


「Virus、了解。」


 ずずずずず、ずずずずず。Virus君はズボンを履きました。滑らかに、滑らかに。ズ・ボーーーン。


「きゃあVirus君。ズボン履くの上手ね。」


 たか子さんはあまりにもVirus君が滑らかにズボンを履いたので驚いてしまいました。


「Virus、得意なことはズボンを履くこと。Virus、物音立てちゃ、いけないからさ。Virus、Virus、Virus。」


 きゃあかっこいーーーーーーー!!


 パチパチパチパチ〜!!


 教室はVirus君のあまりのカッコよさに拍手と歓声で包まれました。


「ふふっ、俺はVirus。これくらい、当たり前のことさ。」


 得意気な、Virus君。


 それを見ていたたかしくん。嫉妬しました。僕だってあれくらい上手にズボンを履けるもの。僕だって、あれくらい上手にズボンを履けるもの。たかしくんは教室の前に躍り出ます。勿論ズボンは脱いでいます。


「これからズボンを履きます。みんな見てて。」


「わかったわ。」


「わかりました。見ます。」


 みんな、見ています。たかしくんを見ています。みんなの、真剣な眼差し。たかしくんは、少し、緊張しています。


 ドキドキドキドキ


 は、履くぞ。履くぞ。履くぞ、履くぞ。


 ずずずずずず。ずずずずず。隆くんは、ズボンを履きました。滑らかに、滑らかに。ズ・ボーーーーン。


「す、すごいわたかしくん。滑らかで上手だったわ!!」


「すごい!!すごいわ!!流石だわーー!!」


「え、えへへへへへ。そ、それ程でも。」


 頭をかいて照れるたかしくん。それを見守るVirus君。


「みんな幸せ。Virus、ハッピー。」


 完

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