ゲロ君
飲み会
ワイワイガヤガヤドンチャンドンチャン
ワイワイガヤガヤドンチャンドンチャン
飲み会です。飲み会シーズン、飲み会です。
ゲェー
田中くんがゲロを吐きました。
「田中くん、ゲロを吐きましたね。」
それを見た隆くんが言いました。
「はい、ゲロを吐きましたよ。」
田中くんが言いました。
「ゲロくん、田中くんから吐き出されましたね。」
隆くんが問いました。
「はい、田中くんから吐き出されましたよ。」
ゲロくんが言いました。
「飲み物お代わり如何ですか?」
ちょうど店員さんがやってきました。若い、元気な店員さんです。
「あ、お願いします〜。」
「私も〜じゃあビールで。」
「僕ウーロン茶で〜。」
「あ、追加でゲロ君の分も。コース一人追加で願いします。」
隆くんが、店員さんに注文しました。
「ゲロ君には出せません。」
店員さんは冷たいです。
「あ、一人分追加で払うので、ゲロ君の分もお願いします。」
隆くん、諦めきれません。
「ダメです。ゲロ君はカウントできません。」
店員さんは冷たいです。
「なんでですか。せっかく吐いたのに。」
田中くんも加勢します。田中くんは医者です。
「ゲロ君はゲロなのでダメです。」
店員さんは冷静です。
「差別だ差別だー!!」
「差別をしてはいけない!!」
「いまだにそんなことをやっているのかー!!」
みんな、怒りました。
「いいえ、差別ではありません。」
店員さんは、冷たく言い放ち、ゲロ君を処分してしまいました。さっさっさっ。
「ああ、ああ、ゲロ君が、ああ、ああ。」
田中君は泣き崩れました。田中君は医者です。
「うぅ、僕も悲しい。悲しいよ。」
隆くんも泣きました。
「こんなことなら、出会わなければ。吐かなければよかったんだ。これ以上何も吐かないぞ。僕たちだけで、生きていくんだ。」
田中君は、いつも未来を見ています。田中君は医者です。
完
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