走れメロンっす

 私はセリヌンティウス。友人のメロスが余計なことをしたせいで人質なうだ。この国では王が独裁っぽいことをしているのだが、なんとなくそれを嗅ぎつけたメロスが正義の心を暴走させ王の暗殺を試みた結果、あっさりと捕まった。処刑されそうになったメロス。しかし突然、妹の結婚式がある、行きたい、行きたい、と言い出した。友人のセリヌンティウスを人質にさせてもらう、絶対帰ってくるから、と言う。私は断りたかったが、断ったら話がここで終わってしまう。仕方なく私は引き受けた。日が沈む前にメロスが帰ってこなかったらメロスの代わりに私は処刑されてしまう。そして今まさに沈もうとしている、日。


 うぅ、メロスよ。あいつ、約束は守る奴だった。来てくれるはずだ、メロスよ、メロスよ。目を凝らして遠くを見つめる。すると、遠くにうっすら人影が、、


 メロス、メロスよ!!


 たったったったったっ


 メロスが帰ってきた。私は安心した。しかしなにやら、頭のあたりがやけに大きい。


 たったったったったっ


 大きい。あれじゃあ4頭身だ。メロスは7頭身くらいだったはず。


 たったったったっ


 メロンの被り物を被っている変な人がやってきた。


「お主、何者だ。」


 王が尋ねる。


「おら、メロンっす。お尻からメロンが出るっす。メロンをみんなに売りにきたっす。」


 ああ、終わったな。目を閉じる。最後の時を静かに待つ。


「メロンってメロスに名前が似てるからいいよ。許してあげる。メロンはメロスではないからメロンも殺さないよ。」


 優しい王、優しい。みんなでメロンの尻から出るメロンを食べてパーティーした。


 一方その頃、メロスは妹と妹の夫と3Pしていた(らしい。)。


 完


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る