豚トロじい

 しゅぴぴぴぴぴー、しゅぴぴぴぴぴー、


 平日の真昼間、公園でヨーヨーをしているよ。ヨーヨーをしているよ。


 しゅぴぴぴぴー、しゅぴぴぴぴー


 するとなにやら、白髭もくもくおじさんが近づいてきたよ。


「ヨーヨーは酔うよ。ヨーヨーは酔うよ。」


 どうやらヨーヨーは酔うよ、と言っているようだよ。


「いいえ、ヨーヨーは酔いませんわ。公園でヨーヨーをするという行為は私の三半規管になにも訴えてきませんわよ。」


 私は答えたよ。


「ん、違うよ。ヨーヨーはヨーヨー、ヨーヨーはヨーヨー、と言っていたんだ。」


 おじいさんは必死に伝えてたよ。手をバタバタさせながら。どうやら誤解だったようよ。ヨーヨーはヨーヨー、と言っていたようよ。


「ヨーヨーはヨーヨー、まるでトートロジーですね。」


 私は答えたよ。


「そうだね。まるでトートロジー。ちなみに私は豚トロじい、豚トロ大好き豚トロじい。豚トロ食べに、行かないかい。」


「私も豚トロ食べたいわ。」


 一緒に豚トロを食べに行く、豚トロフレンドになったよ。


 完




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