メリーさんと太郎くん

 太郎くんはお父さんお母さんと、3人暮らし。家族で仲良く暮らしています。しかし、今日はお父さんとお母さんがあの世へ逝ってしまっているため、一人で留守番です。日中は一人でゲームなどをして楽しく過ごしました。今はもう日が暮れ、外は薄暗くなっています。


 ぐうぐう、お腹が空いたのでご飯を食べよう。冷蔵庫を開けます。


 ジリリリリリ、ジリリリリリ


 突然電話が鳴りました。まあ電話が鳴るのは、いつだって突然なのですが。


 ガチャ


「私メリーさん、今〇〇駅にいるの。」


 ガチャ


 電話が切れました。〇〇駅は太郎くん家の最寄駅です。なんだろう、いたずら電話かな。太郎くんは特に気に留めませんでした。


 ジリリリリリ、ジリリリリリ


 再び電話がなりました。電話をとります。


「私メリーさん、今一丁目の豆腐屋の前にいるの。」


 ガチャ


 電話が切れます。太郎くんの家に近づいています。太郎くんはすこし怖くなってきました。


 ジリリリリ、ジリリリリ


 再び電話が鳴ります。恐る恐る電話を取ります。


「もしもし、私メリーさん、今△小学校の前にいるの。」


 電話が切れました。太郎くんは怖くなってきました。身動きを取ることすら恐ろしく、物音を立てるとすぐにメリーさんがやってくるような、そんな気がします。誰かに助けを求める電話をしようかとも思いましたが、それもまた監視されているのではないかと考えてしまうのです。


 ジリリリリリ、ジリリリリリ


 そうこうしている間に再び電話がなりました。怖くて電話を取ることができません。


 ジリリリリリ、ジリリリリリ


 それでも電話はなり続けます。ああ、ああ。そのうちに、電話を取らずにいる姿もまた、見られているような気がしてきます。電話を取らない方が良くないことが起こるような、そんな気がしてきました。勇気を出して電話をとります。


「私、メリーさん、今、あなたのうちの前にいるの。」


 電話が切れました。怖すぎる。あまりにも怖いので、オナニーでもして気を紛らわそうと思っていると、


 ジリリリリリ、ジリリリリリ


 再びすぐ電話がなりました。あまりの恐ろしさにお腹が痛くなってきました。きゅるるるる。



「私、メリーさん。今、あなたの胃の中にいるの。」


 あ、お腹が痛いのはメリーさんがお腹にいるからなのか。太郎くんはトイレに行って脱糞し、流してしまいました。


 きゃあ〜


 メリーさんは流れていきました。めでたし、めでたし。


 完

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