信号機のおせっかい

 信号機は日々罪悪感を感じていた。赤信号、人々を待たせてしまう。私は人々の時間を奪っている。申し訳ない、申し訳ない。


 ある日、信号機は青信号だけ示すことにしてみた。


 キキーッ、ドンドドドドーンッ、ドドドドーンッ


 事故、多発。


 人々は怒った。


 何やってんだ、信号機、ちゃんと働け、ちゃんと働け


 何言ってんだ、人間ども、自分の安全くらい自分で守れ、私なんかに頼ってるからダメなんだ。


 信号機、逆ギレ。


 人々はもっと怒った。


 そうだ、あいつをゴキブリの刑にしてやろう。


 人々は信号機にゴキブリたくさんくっつけた。


 ペタペタ、ペタペタ


 しんごうきぶり、しんごうきぶり


 完




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