テーブルブルブル、イス、スススッ

 テーブルブルブル、テーブルくんが、震えている。それを見たイス子ちゃん、質問してみる。

「どうしたのテーブルくん」

「今夜、魔界から使者がやってきて、僕を地獄の門に連れて行くんだ。僕はこの世で生を全うしたい。助けてくれ、助けてくれっ。」

 この人、なにを言っているんだろう。イス子ちゃん、退く。イス、スススッ。


 テーブルブルブル、次の日も、テーブルくんは、震えている。それを見たイス子ちゃん、再び質問してみる。

「どうしたのテーブルくん」

「月から、魔弾の射手が僕を狙っている。助けてくれ、助けてくれ。」

 なにを言っているんだろう。イス子ちゃん、再び、退く。イス、スススッ。


 テーブルブルブル、テーブルブルブル、次の日も、また次の日も、テーブルくんは震えている。心配になったイス子ちゃんはテーブルくんに提案した。

「精神科を受診したらどう?」

「いぎだいっいぎだいっいぎだいっいぎだいっ。」

 テーブルくん、乗り気だった。テーブルくんとイス子ちゃんは、精神科に行くことにした。

 その日から、二人の冒険が始まった。

 テーブルブルブル、イス、スススッ、テーブルブルブル、イス、スススッ

 テーブルくんは震えることで、少しずつ、進んで行く。テーブルブルブル、テーブルブルブル。

 イス子ちゃんは退くことで、少しずつ、進んで行く。イス、スススッ、イス、スススッ。


 雨の日も、風の日も二人は進んでいく。

 テーブルブルブル、イス、スススッ。

 通りすがりの人々に馬鹿にされても、石を投げられても二人はめげない。

 テーブルブルブル、イス、スススッ。


 二人は、目的地についた。しかし、彼らが旅をしている間に、人類は人工知能と戦争をし、破れた。人類は滅び、人工知能が生態系のトップにたった。その後、地球外生命体が地球にやってきて、人工知能と戦争をした。人工知能は破れ、地球外生命体が地球を支配するようになっていた。よって、存在していた精神科はとうに消えていた。

 テーブルくんはいった。

「精神科はなかったけど、一緒に旅ができてよなった。精神科に誘ってくれてありがとう。もう僕たちも寿命だ。一緒に朽ちよう。」

「うん。あなたに会えてよかった。」

 イス子は答えた。


 グヂャグ□ダヤバリジャガグュギャバグビャギュゲュギュョビャボヂュデュギャグ○ャゲャグギャ△ガャゲャガャガャギグゲャゲゴヒュ★ギュョジジギュグュグゲ(彼らが朽ちる音


 完


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