みんな大好き異世界転生
ある日バイト先から帰る途中だった俺は、トラックに撥ねられ死亡した。
目覚めたら目の前に自称女神と名乗るすっごい美人がいて、自分のミスで殺してしまい申し訳ない、そこそこのイケメンに顔を修正した上で金持ちのボンボン(17)に異世界転生させ、無限に物が入るアイテムボックスと、どんな言葉もわかる言語能力、そしてとあるチート能力を授けてくれると言ってきた。
退屈な日常に飽き飽きしていた俺は速攻でその話を呑んだ。
で、今に至る。
次に目が覚めた時には、俺は街道の横の草むらにいた。
周りを早速モンスターが取り囲んでいる。スライムだ。
スライムはプルプルしながら赤くなっている。
倒した旅人から巻き上げたであろう装備をそっと俺の前に置いてはプルプルして
スライム同士で押し合い圧し合いしている。
どうやら貢物のようだ。
なんかわかんないけどラッキー。
お礼を言いありがたく使わせてもらうことにした。
なんだかんだでスライムから貢がれた装備が優秀だったので、サクサクと敵を倒しながら街道を歩いていると、轍に嵌った馬車が目の前に登場した。
別に急いではいないので押すのを手伝ったところ、街まで乗せてくれるという。
ラッキー。
どうやらどこかの貴族の馬車らしい。中に乗っていた金髪ロリの可愛いお嬢様(12)がお兄様にお礼するとか言いながら、随分甲斐甲斐しく俺の世話をしてくれた。
ふぅ、年下は趣味じゃないんだけどな。
お付きの者が俺のことをこの間行方不明になった宰相の家の三男坊と言い、家に連絡を入れてくれると言った。
そうか俺は大臣の子供に転生したのか…この時俺は初めて自分が何者に転生したのかを知ったのだった。
街につき、連絡が来るまでロリお嬢の家にご厄介になることになった。
金髪ロリは俺が滞在している間、相変わらず甲斐甲斐しく世話をしてくれた。
風呂に入るときに背中を流しに来ようとしたり、ベッドに一緒に入って寝ようとしてきたりもしたが、流石にお断りした。
やれやれだぜ。
暫く滞在した後、家の者が迎えに来て俺は家に戻った。
家に入ると、心配したぞという声が聞こえ、玄関で待ち構えていたかのように巨乳美人の姫騎士(19)が飛びついてきた。正真正銘のプリンセスで俺のイトコだという。
マジかよ。
巨乳姫は俺が行方不明になった後一人で、俺が最後に立ち寄ったと言われている洞窟まで探しに行ったそうだ。どうやら俺はそこに悪さをするドラゴンを倒しに行ったらしい。姫が心配するといけないので、記憶がないということにしておいた。
話によると、俺は家督を継ぐためにドラゴンを倒しに行かなければらしい。
本当はすぐにでも後継者にしてやりたいのだが、俺が妾腹で三男のため他の兄弟との兼ね合いもあり、このクエストを成功させることが条件になったそうだ。
先程、二回目の討伐を父である宰相から早速言い渡された。
善は急げだ。
俺には女神から貰ったチート能力があるから、今回はきっと負けはしないだろう。
まだ何なのかはハッキリとは分からないが。
旅に出ることを使用人に告げて用意をさせていると、姫が聞いていたらしく一緒にいきたいと言う。剣の心得もある姫がついて来てくれるのは心強い。勿論OKした。
用意ができ、馬車に乗って旅立とうとすると、家の前に荷物を持った女の子が立っている。ロリお嬢だ。
お兄様について行きたいと言うが、危険なので残るように伝えたところ泣き出した。
俺が困っていると、姫が金髪ロリの家は王国でも屈指の魔法使いの一族で、彼女はその秘蔵っ子だから連れて行けばきっと役に立つだろうと言ってきた。
そういうことならと、俺は金髪ロリもパーティに加えることにした。
ロリお嬢は馬車に乗るやいなや俺の横にぴったりとくっついている。
抜け駆けはずるいぞ、と姫も負けずにぴったりとくっついてくる。胸が…。
俺は美少女2人に両サイドをガッチリ固められた状態で馬車に揺られて旅に出ることになった。
窮屈なのは嫌なんだがな。やれやれだぜ。
最寄りの村について馬車を降り、洞窟までの道を行く。
途中何度か敵の襲撃に遭ったが、
「お兄様は下がっていてください!」
「キミは僕の後ろに隠れているんだ!」
と2人が蹴散らしてくれたので、何の苦労もなく洞窟まで辿り着くことができた。
ラッキー。
2人に戦闘を任せながら洞窟の奥まで行くと、件のドラゴンが待ち構えていた。
だが、ドラゴンの様子がおかしい。
眩しい光とともにドラゴンは人化して角と尻尾のある美少女の姿になった。
獣人キタコレ。
どうやら俺からすごくいい匂いがするらしく、つがいになりたいと言い出した。
今回悪さをしたのは、悪いことをしたら俺がきてくれると思ったかららしい。
ロリ養女と巨乳姫がムッとした顔をしてこっちを見ている。
女の子はみんな仲良くしないとな。
やれやれだぜ。
ドラゴンをそのままにしておくわけにはいかないので、アイテムボックスからシンプルな仕立てのいい服を出して彼女に着せたところで、女神から通信が入った。
俺のチート能力は、どうやら女性であればだれでも俺に惚れてしまうという能力らしい。
効果は女神にも効くらしく、あなたのことが心配だから今からそっちに行くからと一方的に切られてしまった。
やれやれ、これからどうしようか。
俺は一人しかいないんだけどな。
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