魔法生物
ガラスの黒瞳にランスロットは、瞬間的に身を強張らせた。
「ご主人様、どうなさいましたか?」
機械的な言葉。
『個人認識はされてないわ』
ランスロットには及ばないものの、戦いに慣れている。
ルッフェの助言に魔法の発動を抑えた。
人形メイドは、キョトンとこちらの動向を見ている。
「どうなさいましたか?」
『……無問題』
ルッフェは、上位古代語を呟いた。
「?」
『こう言いなさい……無問題よ』
「……無問題?」
「かしこまりました」
メイドは一礼して、踵を返した。
「何だったんでしょう?」
『魔法生物よ』
ルッフェが言った。
メイドが去った部屋にはにわかに活気のようなものが漂いだした。
「六人?……いや、六体か?」
『良く分かるわね?』
「僕も大概『対人』特化ですからね」
と、手を屈曲させる。
『武器が欲しい?』
「見たところ、材質は木ですかね?」
『魔法で強化されてるから、強度まではわからないわね……
少なくても死肉を使ったゴーレムではないわよ』
「ゴーレムですか?
言葉を喋りましたよ?」
『多分、晶術ね……駆動部分全部と感覚……でも、自由度が高すぎる!?
あ、そうか……ここは『魔術師の塔』か……発令所を別にして、無線で繋げばいいか……』
「一人で納得しないでください……安全なんですか?」
『命令によるけど……多分危険はないわね……』
「至れり尽くせりの屋敷に不自然なモノか……」
扉を見つめる髑髏……
『これを作った魔術師なら、死因を調べましょ?』
「外に出るヒントでもあれば、良いんですけどね……」
ランスロットは、そういうと死体をしげしげと観察しはじめた。
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