第4話

教室に着くと、友也が僕の方へ駆け寄ってきた。


「翔、大丈夫か?

さっき、先生に怒られてたろ」


「いや、まぁ、大丈夫だったよ。

次、遅刻したらレポート提出になるみたいだけど」


「うわ、大変だな。

でも、なんで今日そんなに遅れたんだよ?あんなに遅刻しないって言ってたのに。」


「部活が最近忙しくてさ。

それで寝坊しちゃったんだよ。」


どきっとした。


「そっか。サッカー部今インターハイに向けて頑張ってるもんな。

まぁ、無理せずやれよ。」


「ありがとう。」


その時の僕の顔は、ひきづっていただろう。

友也は、不審に思ったかもしれない。


友也は、とてもいい奴だ。

嘘をつきたくない。


だからといって、今日遅刻した本当の理由が、部屋にもう一人の自分がいて遅れました、なんて言えっこない。


ごめんな、友也。


もし、話せる時が来たら話すから。



学校のチャイムが鳴った。


今日も、学校が始まる。









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