第2話 ご主人様と痛い女
「花凛と呼んで欲しい」
それが古川花凛の最初の要望だった。
「俺のモノになるって、ど、どういうコト」
さすがに、いきなりそんな事を言われれば動揺すると言うか、ちょっと引くよね……
「答えは、こういうこと」
花凛は、俺の背中に密着してきた。
なんかいろんなものが、当たっているような気がしてならない。
この人は、顔とスタイルは決して悪くないのだ。
「今日は、もう帰ろうか?古川っ」
「………」
「花凛っ……」
「わかった、圭」
なんか、すごくメンドくさい事になったような気がする。
俺は、少し冷静になって考えてみた。
ロボットみたいだと思われていた花凛には実は、感情があった。だが他の女の子みたいに表情に表すことが出来ない。だったらボディランゲージで伝えるしか無いよな。
そして、なにを血迷ったか俺を選んだ、何に?
「花凛っ、これって俺が彼氏ということかな」
「私は、ご主人様でも構わない、彼氏だと振られたら成立しない」
教室でご主人様は、まずいだろう……
「明日、どうするか相談しような」
「わかった、ご主人様 圭」
本当にやめて欲しい、ご主人様系みたいに聞こえるから
「たまたま、俺がお前の隠していることを見破ったからって何も付き合うことはないんだからな、別にバラす気も無いから」
「そんなんじゃない、それだけじゃないよ」
あれっ、雰囲気変わったか?無表情だけど
「花びらは、わたしの気持ちだった、白は、ありがとうの気持ち、黄色は、嬉しい気持ち
皆んなわたしの気持ちだった。圭は、捨てなかったんだよ、私の気持ち」
「わかったよ、だけど俺は、花凛が思っているような奴じゃないと思うよ」
「だったら、なんで屋上まで探しに来てくれたんだろう」
「俺は、お節介なんだよ」
「私にとっては、充分な理由だよ」
結局、俺達は、一緒に学校を出たのだった。
密着しながらだけど……
次の朝がやって来た。
俺は、恐る恐る教室に入ったのだが当然のごとく、花凛が近づいて来た。
メイド気取りかニーソックス履いてるし……
「ごっ、圭っ、おはよう」
あぶねえ、いま"ごっ"って言ったよね
「古川花凛、お、おはよう」
「花凛でいいから、圭」
いま、教室がざわついているのは、俺のせいじゃないよな。
「花凛、今日相談するって話だろ」
「私は、男の子が欲しい」
おい、どうしたいんだ俺の事!
「と、ととと、とにかくおちつけ」
いや、落ち着くのは俺だ!
よしっ、ひとまず保健室へ
ばたーんっ、かわいい音をたてて花凛が倒れた。ヤラれた、完全読まれたよ。
さっきまで、ピンピンしてたのに…
しかし、ここは俺も乗っかることにした。
「花凛っ、大丈夫か!今、保健室に連れて行くからな」
「……お……ひめ……だっ……こ」
何を言い出した、こいつ!
もちろん、俺は、おぶって保健室に行くことにした。
そして俺は、これからこの痛い人をどうするか思い悩んでいたのだった。
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