第10話 小屋を建てる
何時までもツェルトで寝るのもしんどいから、またシェルターを作ろうか。
拠点となるトコロが欲しいよね、ここはちょっと開けてるから拠点にするにはもってこいだ。
いっそ掘っ立て小屋を作った方が快適度高いんじゃないかね?
材料は・・・手近なところで周りの木を切り倒そう。
構造は・・・ああやってこうやって・・・うん出来そうだな。
と昨夜寝ずに考えた。
先ずは材木の調達だね。
買ったは良いけど大きすぎて使わなかった角鉈を取り出して柱となる小ぶりの木を切る。
カッ、カッ、カッっと横に振っていく。 越後のちりめん問屋様ではない。
たまに芯を外して鉈を振り込むとショックが大きい・・・
5本切った所で手が痛くなってしまった。
他になんか手は・・そうだ!・・チェーンソーが置きっぱなしだ!
あった!
ガソリンも混合ガスの1L缶があったはず・・・
チェーンソーはアメリカに出張したときに現地の大型会員ショップでオープンセール$99で売っていた安物だが
意外と切れ味がよい。
一度庭木を切ってゴミに出した時に、あまりの木くずの多さに苦情が出てお蔵入りとなった一品だ。
混合ガソリンを入れ、チョークを引いてリコイルスターターを引くと・・・
エンジンは掛からない
「あれ?」 ポンプを押してガソリンを強制的に送り込んでやる。
ブィン、カカカッカ エンジンは掛からない。
3回ほど試て気が付く。キルスイッチだ!
「誰だ切ったやつは・・・俺か。」
かぶっちゃったぽいのでチョークを戻してアクセルのトリガをちょっと引いた状態で再度掛ける。
ブィン、ブィ・・ガスガスガスパッパッパッパ・・・
バィィ~ン 乾いた2stエンジンの音が響く。
暫くするとエンジンが温まって来る。
楽々と切り倒していく 細い木なら瞬殺だ 切って切って 枝払って枝払って 長さそろえてぇ~。
そしてストレージに仕舞う。
運ばなくていいから作業が鼻歌混じりで進む進む。
まるで
丸太の在庫が増えたところで考える。
大きさは4畳半位あれば良いか もちろん平屋。
地面に寝るのは避けたい 冷えるしね。
ん~ベッドで良いか。
じゃ枠と屋根だけできればあとは臨機応変に行こう。
河原で平たい石をストレージに入れる。 これを土台にする。
土台に合わせて木を並べる。横に別の木を格子状に組んでツタで縛る。
格子の上部分に長めの木を結んで引き起こす。とこれが壁になる予定。
二個目の壁は真ん中の柱をちょっと長めにして屋根に勾配をつける。
縦列が出来たら横にも柱を渡す。そして斜めに筋交いを入れる。
壁には河原の葦を束ねて、筋交いと柱の間に突っ込んだ。
うん童話の藁の家だ。
屋根は釘がコーススレッドしか無かったから釘が打てない。
太目の木を角材にした時に出る端材を屋根板にするつもりだった。
釘が欲しい・・・
とりあえず100均のブルーシートで覆った。
いまいちである。昔、京浜東北線で多摩川を渡るときによく見た光景に思える。
早いうちに何とかしよう。
色々と道具を取り出しながら分かったことがある。
消耗品は何度でも直ぐに取り出せるが、耐久消費財は一つしか出せない。
消耗品はストレージにしか入れられないが、耐久消費財は部屋フォルダに戻る。
角鉈を部屋に戻して出した所、切れ味が戻ったので壊れたら戻せば良いのかも?
持ってた剣鉈は何故かストレージに入った。持って出てきたものはダメかもしれない。
まぁ剣鉈も何振りか買ったから違う奴なら大丈夫なのかも。
外側が出来上がる頃にはとっぷりと日が暮れてしまった。
今夜は熊鍋。野菜も何もない塩味だからクマノミ鍋か?
食べたら小屋の中でツェルトに包まって寝る。
やっぱり寝付けない・・・
これは早々に別な食べ物を確保しないと・・・そろそろ青物も欲しいなぁ・・・
寝られん・・・と思いながらも、昨日の徹夜のおかげか?それとも作業の疲れか?
いつの間にか寝てしまった。
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