第3話
結局同窓会に来たのはクラス40人中22人、みんな忙しくしている割に集まりが良かった。
当時と全く変わらない人、変わりすぎて誰だかわからない人…いろんな人がいた。
その場で意気投合して、連休中遊ぶ約束をしている人もいた。
「うわっ」
「どうしたのサヤカ」
サヤカがスマホを見て何とも言えない顔をしている。
「ちょっと友達から。ごめんね」
そういうと席を立って座敷から抜けていった。
「彼氏かな。前に飲んだ時に言ってた人。」
「どうやろね。てか俺知らんし、その飲み会」
「あれ、興味ないの?珍しい。人の恋愛にいつも首突っ込んでたのに。」
「
この話題から離れたいのか、陽介は着ているパーカーのポケットからスマホを取り出した。
「そんなことより彩乃、MINEやってへんよな?クラスのグループに居らんもんな」
「してないよ、ガラケーだし。」
「じゃメアド教えてや、変えたやろ。こないだメールしたら宛先不明で返ってきてんやんか」
「うーん…嫌」
「なんでや!」
そのあと戻ってきたサヤカは
「ごめん!友達が今から家に来るっていうから先抜けるわ!」
と言い出し
「え~サヤカ幹事じゃん!」
「そうだぞ~二次会どうすんだよ~」
集まったメンバーから少々野次が飛び交ったが、サヤカの焦り様が尋常ではなかったので解放してあげることにした。
「今度埋め合わせするから!ほんとごめん!」
と言って帰っていくサヤカを見送った。
『私たちを放っていくなんて、よっぽど大事な人なんだ』
誰かが言った。
結局サヤカが帰ってから1時間くらいで会はお開きになった。いい時間だったし、終電も近い。
私はこの居酒屋から徒歩20分のところに家があるので、電車の時間を気にする必要はなかった。
「〆にラーメン食べて帰ろっかなぁ」
「あ!俺も!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます