いじめ
小学3年生の時、私はひとつ上の幼馴染に誘われて
ブラスバンドに入った。
担当楽器はフルート。
「海はきっとフルートが似合うよ!」という
幼馴染の一言がきっかけだった。
結愛も誘ったが、母親に反対されてしまい
結局私一人で入ることになった。
これが私の人生で最初の地獄の始まりだった。
当時の私は、地味な見た目に加え空気も読めない子供で、
まさにいじめの標的になるにはもってこいの存在だった。
ブラスバンドに入って、高学年の生徒と交流する時間が増えた。
話が嚙み合わない私に腹を立てたのだろう。
気づいた時にはいじめは始まっていた。
最初はフルートパートの全員から無視され
コソコソと悪口を言われるようになっていた。
小学3年生の私には、なぜそんなことをするのか理解できずにいた。
その年の冬、とうとうブラスバンド全員から嫌がらせを受けるようになった。
ダウンコートが大型ストーブの裏に隠されボロボロにされていた。
探している間、くすくすと笑い声がしていたのを今でも覚えている。
ようやく自分がいじめにあっていることに気づき、すぐにママに相談した。
もちろんママはすぐに担当の先生へ抗議の手紙を書いた。
それが間違いだった。
手紙が先生の手に渡った翌日、ブラスバンドの活動が行われる体育館に重い足を運んだ。
何故かはわからない。
すでに先生にいじめを報告したことがバレていた。
「そうやってすぐチクるからいじめられんだよ」
どこからかそんな声が飛んできた。
チクったのは初めてなんだけどな…
そんなことを思いながらその日はひたすらフルートの演奏にだけ集中をして
その後すぐブラスバンドは辞めた。
当時はママに話したのが間違いだったと思ったけど、
今思えばあの時話していなかったら、いじめはもっと酷く長く続いていたかもしれない。
そう思うとあの頃の私の選択は間違いでなかったと思える。
ブラスバンドではいじめにあっていたけど、
幸いクラスでは仲のいい友人が増え、
何事もなかったかのように4年生に上がった。
4年生のクラスメイトには、ブラスバンドで私をいじめていたリーダーがいた。
少し嫌な予感はしたものの、その不安はすぐに消えることになる。
いじめのリーダーはすぐにクラスでいじめにあったのだ。
私はすこし、いやものすごく「ざまぁみろ」と思ってしまった。
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