第2話 思い出
「あぁ、ほんと素敵! 私の王子様!」
幼い頃から、文字の練習として書き続けている日記。
あの日のページをいつも読み返しては、あの時を思い出す。
「今度はいつ会えるんだろ……」
うっとりとした目で、私は再度日記へ視線を戻す。
拙い字ではあるけれど、弾んだ文字。彼に会ったのは、この日が最初で最後。
今からもう10年も前だ。
当然、覚えているのは日記に書かれていることだけ。だから、
「あの後、何て言ってたのか覚えてないけど……」
残念な気持ちを抱き、私は日記を閉じた。
この世界には、私たち人間の他に、"狼族"というものが存在する。
彼らは、人間と狼の姿、自由に変化できるそうだ。
あの時の少年と狼は果たして……
「って、まぁ、今考えたって分からないんだけどね」
自分に言い聞かせて、私は自室からでた。
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