第7話

 水曜日



ふと思い立って地図を取り出した。


四つの殺害現場に印をつけて線で結ぶと、ほぼ正方形が一つ出来た。


それを眺めていた俺は、不意にあることに気づいた。


――まさかな。


否定しようとしたが。どうしても気になる。


そこで思い違いであることを確認するために、俺は四角形の四つの角のうち、対角にある二点を線で結んだ。


四角形の中で、二本の線がバツを描く。


そしてその二本が交わるところを見た。そこはまぎれもなく、俺が住むマンションが建っているところだった。


――!?


風呂場から歌声が聞こえてくる。


美里が歌っているのだ。


俺が聞いたことのない、甘いラブソングだ。


俺は頭を振って自分に言い聞かせた。


――大丈夫だ。ここには全部で十六人住んでいるのだから。

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