第3話

 水曜日



夜にニュースが入ってきた。前に十五人が殺された場所より南下したところで、再び大量殺人があった。


ほとんどが一人住まいのワンルームマンションで、住人が残らず皆殺しになったそうだ。


十四世帯の人が殺され、殺された人の数は十五人だった。


「あいつよ」


俺がなにか言う前に美里が言った。


「あいつなのか」


 聞かなくても、同じ犯人だと想像がつく。こんなことが出来る奴なんて、そうそういるはずがない。でも俺は聞いた。


「あいつなのか」


「そう、あいつよ。間違いないわ」


「それで、あいつって……」


「知らないわ。知らないけどあいつよ」


やはり同じ奴らしい。


連続して一度に十五人も殺した奴が、近くにいるのだ。

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